
【イギリス】 〜バーミンガム編〜 「繋がる過去と現在」
バーミンガムってどんな街?
今回はリバプールから電車で約2時間のバーミンガムへ。
バーミンガムはロンドンに次いでイギリスで2番目に大きな都市。
バーミンガムはイギリスの産業革時代、製鉄業を中心とした重工業で栄えた街。
製鉄産業が盛んな街は常に空が黒煙で覆われていたことから別名「ブラック・カントリー」と呼ばれていたそう。

もちろん現在は黒煙に覆われることなく青空が広がっているが、一昔前までこの空は黒かったのかと思うとすごい場所にいる気がした。
そんなバーミンガムは昔の姿も残しつつモダンな建物もあり、まさに過去と現在が融合した街だった。
今回は文字よりもほぼ写真の記録かも。

「みる」ことを楽しむ図書館
まずはバーミンガムの「現在」を見に行った。
それがこれ。

めちゃくちゃオシャレで現代的なこの建物。
なんとここは2013年に開館した「ライブラリー・オブ・バーミンガム」という公共の図書館。
公共の図書館としては世界有数の大きさらしい。
そして内装もすっっごくオシャレ。

図書館内の一部がライトで飾られていて、アトラクションに並んでいる感じ。キラキラしててかわいかった!
図書館だからもちろんメインは大量の本なんだけど、興味深い展示もいくつか行われている。
下の写真はバーミンガムの街の歴史を知ることができるエリアで撮った写真。

産業革命時代の街の姿から現在の姿に至るまでの地図も見ることができる。
さらに今では見ることがなくなったロードマップも国ごとに置いてあった。
色褪せた感じが歴史を感じる…

そして上の階に進むと「シェイクスピア・メモリアルルーム」という場所があった。

ここはシェイクスピアがインスピレーションを受けた雰囲気を再現している場所?らしい(正確なことはよくわからなかった…)
以前は別の図書館に収容されていたけれど、いろいろあって今はこのバーミンガム公共図書館で展示されているっぽい。
そんなシェイクスピアルームを出たところは高層階で眺めも良いので絵を描いている方が何人かいた。


そして屋上にも行くことができる。
屋上は一部が庭園になっていて素敵な雰囲気だった!

やっぱり上から景色を眺めると色合い、建物の雰囲気、人の流れなどが一目でわかるから面白い。





街を繋ぐ美しい運河
バーミンガムは街中が運河で繋がっていてボートや橋がたくさんある。
下に降りて歩くこともできて楽しかった!


運河に沿って歩いていると自然と街を一周できる。

バーミンガムはインド料理の街!?
バーミンガムにはインド料理屋がとにかくたくさんある。
しかも本格的で超高評価のお店ばかり。
調べてみるとバーミンガムはインド系の移民が多く、イギリスで独自の発展をしていって現在に至るという。
そんなバーミンガム発祥のインド料理は「バルティ・トライアングル」とも呼ばれるらしい。
「バルティ」はインドの調味料の名前。
「トライアングル」はインド系料理屋さんが多く立ち並ぶ地域を囲った場所。
この2つを組み合わせてバーミンガムのインド料理を「バルティ・トライアングル」というのだそう。
たくさん高評価のお店がある中私が行ったのは「tamatanga」というレストラン。
ここはインドカレーのお店でナンがめちゃくちゃ美味しかった!!

私はチーズナンを、友達はガーリックナンを選んだのだけど、まじで激うま。イギリスにいることを忘れるくらい美味しかった。
バーミンガムの重要な歴史
ここまでバーミンガムを満喫している写真をたくさんあげているけれど、バーミンガムは全てが明るい街ではない。
街を歩いていると時々怖い雰囲気を感じることがあった。
その理由はバーミンガムのある歴史が関係している。

産業革命後の19世紀後半、バーミンガム都市部では貧困者が増加し、スラムが広がっていった。
貧困から犯罪をはたらく少年たちが増加していき、その少年たちが徐々に組織化されて1890年ごろに「ピーキー・ブラインダーズ」というギャング集団が生まれた。
そんな「ピーキー・ブラインダーズ」の特徴はハンチング帽の先にカミソリの刃をつけていること。
当時のバーミンガムではツバのある帽子を「ピーキー」と呼ばれていたそう。
そして「ブラインダーズ」の意味。
諸説あるが、帽子のツバにつけた刃で相手を傷つけて「目を見えないようにする」という意味で「blind=目の見えない」をもじってこの名前がついたといわれている。
怖すぎる…
そんな「ピーキー・ブラインダーズ」をモデルにしたドラマがNetflixで配信されている。
タイトルはこのまんまで「ピーキー・ブラインダーズ」
私は知らなかったのだけど、めちゃくちゃ人気のドラマシリーズで現在6シリーズもあるらしい。今度映画化もするらしい。
まだ全部は見れていないけど少し見た限りでもかなりダークな雰囲気だった。
もちろんバーミンガムが舞台だから街にはこのドラマの関連スポット的なのがいっぱいあった。
1日街を歩いて感じたのだけど、やっぱり少し怖いような、治安があまり良くはないんだろうなという雰囲気があった。
目に見えて怖い人たちがいたわけではないけど、たまに通りかかった建物とか道とか落書きとか。
なんか妙な怖さがあって、気になったので帰ってから詳しくバーミンガムの歴史を調べて納得したって感じ。
イギリスは地域によって本当に様々な歴史や背景があってどこも興味深い。
昔は植民地を多く持っていたからそれが理由となって今でも独自の文化が発達していたり、交易もものすごく盛んだった過去があったり。
多くの複雑な過去の歴史が積み重なって今のイギリスができている、と改めて実感した。

私のこだわり旅 「歴史を調べて街歩きをする」
毎回目的地に行く前に行うのが、「ほんのりでいいから街の歴史を知る」という作業。
どうやってこの街が栄えたのか、どんな事が起こっていたのか。
その街が現在の姿に至るまでには全ての理由が繋がっている。
今回もバーミンガムに行く前に事前に軽く下調べをした。
一昔前まで空が黒煙で覆われていたという街は現在どんな姿になっているのか、ギャングがいた街はどんな雰囲気なのか。
軽くでいいから重要な幾つかの情報を知ってから街歩きをすることによって、何も知らずに街歩きをするよりも想像力が掻き立てられる。
今の街ができた理由、その街の特産物となった理由、そこに住んでいる人たちの由来など、本当に全てが繋がっていると実感できる。
だから私はどこに行くにも事前に軽く歴史を調べてから街歩きをするようにしている。

〜イギリス バーミンガム編 完〜