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憧れのDICへ②ロスコ・ルーム

昨日の続きです。
連休に訪れたDIC川村記念美術館。
今回訪問の最大の動機であるロスコ・ルームへ。


作品の前に、マーク・ロスコとはどんな画家でしょうか。
ウィキペディアにはこんな紹介がされていました。

マーク・ロスコ(英: Mark Rothko, 本名は 英: Markus Rotkovich または英: Marcus Rothkowitz, ロシア語: Ма́ркус Я́ковлевич Ротко́вич, 1903年9月25日 - 1970年2月25日)は、ロシア系ユダヤ人のアメリカの画家。ジャクソン・ポロック、バーネット・ニューマン、ウィレム・デ・クーニングらとともに、抽象表現主義の代表的な画家である。

ウィキペディア「マーク・ロスコ」より


めちゃアッサリした説明ですね。

わたしが初めてロスコの絵を見たのは、アメリカ、ワシントンのNational Gallery of Artでした。

白くて広々とした部屋で対峙した、大きなロスコの絵画たち。
目の前に立つとにじんだ色に身体ごと吸い込まれそうでした。

それ以来、かれこれ20年以上ロスコの絵は心に引っかかってかいる存在でした。

そしてついに来ました、ロスコ・ルーム。

DIC川村記念美術館には、ロスコ・ルームという部屋があります。丸ごと1部屋がロスコの作品だけを展示しています。
以下は作品の感想です。

マーク・ロスコ
《シーグラム壁画 1958-59年》

DICのロスコ・ルームは薄暗くて、大きな作品が7枚あります。

部屋の形も7角形で、一枚の壁に一枚の絵。

どれも窓のような四角が、太い線で描かれています。(サムネイルはお土産に買った絵葉書です。)

そして、どの絵も赤が基調です。いろんな色調の赤です。
臙脂えんじに近い赤、朱色に近いものもあります。焦げ茶に見える色も。
美術の教科書にあった赤の明度のグラデーションみたいに、黒を少しずつ加えて色の実験をしているみたいです。

地の色と描かれた線の境界が曖昧な絵もあれば、燃える赤と沈んだ赤が対比になる作品もあります。
朱色が入った絵は、ところどころ筆跡も見えて、窓枠のような線からはみ出した筆跡が燃えている太陽のプロミネンスのようです。

絵をじっと見ていると吸い込まれるような感覚は、昔感じた感覚と同じ。

展示室中央の椅子に座ってみました。
部屋と同じような多角形の黒いソファ。

「絵はわたしの思考を吸い込んで、窓のように開放する」

ふとそんな文学っぽい一文が頭に浮かんできました。
いつもと違うスイッチが入ります。面白い。

ロスコは何をおもいながらこの絵を描いたのだろう…と想像します。

塗り潰された大きなキャンバスを何枚も見ながら、ロスコはきっと無心に描いて、一つ仕上げてもまた次を描き続けずにはいられなかったんじゃないかな、と思いました。

興味がない人には「これなら自分にも描ける」と思われそうなロスコの絵ですが、あの大きさと独特の空気は、ぜひ現物を見て感じてほしいです。

今日はこの辺で。それではまた。

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