見出し画像

鍼灸院集客の考え方

セラピスト向けの発信をやめてかれこれ1年以上経ちますが、一旦、オンラインの事業に手を出そうとしましたがポシャりましたので、今はまた店舗運営に精をだし、日々の臨床に励んでおります。

2020年の3月にTwitterをはじめて、得るものもありましたが、削って削って、最終的に大切なものは残せたかなと思います。SNSは簡単に繋がれるのがいいところでありますが、真の関係を築くことに難しさはありますね。

X(旧Twitter)のアカウントは批判やネタが中心で、あまり好ましい内容ではなかったので、過去の発信は全て削除して、牡蠣のマーケティングに振り切った運用にしていました。もはやSNS上ではセラピストとしての面影はないですし、目的がある場合を除けば、目立つことにこだわりはなく、もっぱら裏方業務をコツコツと…といった感じです。

そしてここ半年、取り組んでいるトピックは鍼灸院の集客ですね。今回はこれについて思ったことなどを綴ろうかと考えています。

あくまで個人的な考えに基づいて書いてますので、異論反論あるかと思いますが私を批判しないでくださいね。正直、他人の考えにも、議論することにも興味ありません。自分の考えは自分のフィールドで発信するなりして発散してください。

さて、取り止めなく思ったことを綴っていきますが、私が思うに、医業類似業の中で鍼灸院集客をゼロイチで始めて発展させていくのは最高難易度です。画期的なアイデアや勝算がなければ絶対にやりたくありません。

鍼灸の受療率はずっと5%前後。鍼灸業界が日の目を浴びず、ずっと低迷してるのは、そもそも市場がないと言ってもいいです。

世の中なるべくしてこうなってるのであって、参入障壁がゆるく誰でも結果が出せるのであればすでに大きなグループ院などがいくつもあってもおかしくありませんが、この時代になっても鍼灸だけのグループ院はありません。

鍼灸は極めて属人的で再現性に乏しく、根拠も曖昧で結果が安定しません。結果を出している人(売れてる人)においても理路整然とロジックを語れる人は多くないですし、鍼灸師の質によってもたらされる結果にバラツキが大きく、社会的に信用を得られていません。

私自身も鍼灸師ですし貶める意図はまったくありませんが、個人的に鍼灸師には占い師に近いような印象をもっています。当たるも八卦当たらぬも八卦、信じるものは救われる、ロジックや根拠がなければその人を信じられるかどうか…そんな印象ですね。

ただでさえ「針を刺す」「お灸を据える」という、お仕置きとしても定着してるイメージはお世辞にもポジティブなものとは言えず、「鍼」という漢字も旧字で読み方も難しいですし、胡散臭さがつきまとい、愛好家を除けば、前向きに選択されるというよりは、消去法で選ばれるという流れかと思います。

最近では美容鍼が少し浸透してきていますが、美容鍼は美容カテゴリにおける一つのジャンルに過ぎませんので、いわゆる鍼灸とは捉えていません。

理由は他にも色々とありますが、医業類似業の中で鍼灸集客は一番ハードルが高いと思います。そして、集客においての最重要課題である「認知拡大」の一番の障壁は技術、教育よりも、紛れもなく広告規制にあります。これが類似の他業種に比べて極めて厳しく、抜け道がない。

施術所を所管する保健所においても鍼灸は厳し目に扱われる印象で、これは僕の個人的な考えですが… 鍼は他の業種と比べて、金属を体内に挿入すること自体にリスクを伴いますし、神経、血管、臓器を容易に損傷させる恐れがあり、事故が起これば患者さんに多大な不利益を与えることに繋がります。こういったこともあって設備から広告に至るまで、厳しく指導を受けるのではないかと考えています。

鍼灸は集客において、とにかく条件が良くないです。

  • 市場がない(見込み客がいない)

  • 認知活動が制限される

  • そもそものイメージが良くない

鍼灸院を育てていくにあたって味方になる材料は何もなく、何をするにも逆風にさらされます。発展させていくには、こういったことを覆せるくらいの画期的なアイデアや、ハックできるような余地を見つけられるかだと思います。そして、ある程度は正義に目を瞑り、割り切ることも大切です。

技術があればなんとかなる?

「しっかりとした技術があれば、結果を出すことで患者さんが喜んでくれて、身近な困ってる人を紹介してくれる」という理屈も分からないでもないですが、これは変数が多くて再現性はありません。正直、綺麗事の理想論です。もちろん目指すべき、追求すべきことではありますが、この考えのもとに開業とか…ジリ貧鍼灸院になるのが目に見えてるのでまったくお勧めしません。

マーケティングを行うにしても、特定のターゲットに的を絞ったマーケティングは鍼灸の場合うまくいきません。「なぜ?」って?… 考えてもみてください。世の中に多種多様な解決策がほかにいくらでもある中で、あえて鍼で痛い思いをしたり、お灸で熱い思いをしなくてもいいわけです。

鍼灸院集客はファーストチョイスになり得ない、二番手三番手のおこぼれ集客が基本になります。そのためには、ある程度幅広く対応できるように網羅的に構えていくのが肝心で、万能さ、臨機応変に対応できる器用さが求められます。つまり、何でもできるマンじゃないとダメってことです。

特にローカル集客においてターゲティングは必要ありません。鍼灸というカテゴリ自体がニッチで、すでに絞り込まれている状態ですからね。既存の愛好家のためにあるといってもいいくらいです。下手にこだわったり、尖らせると、ただでさえ少ない見込み客を不必要に選別することに繋がってしまいます。

スタートアップの戦略としては、選択と集中でとにかく目立って存在をアピールするために尖らせたいところですが、鍼灸でそれをやってしまうと商圏を広く取らざるを得なく、莫大な広告費がかかりますので、資金力がなければ半年以内に閉院なども十分にあり得ます。

鍼灸だからこそできること、鍼灸ならではのこと、鍼灸でしか得られないこと。こういったことはもちろん考えていくべきですし、育てていかないとですが、スタートアップのタイミングでは他に優先するべきことがあります。

広告規制は強い影響力があり八方塞がりな感じがしますが、幸い今のところはHPやSNSには規制のメスは本格的には入っていませんし、使えるうちはガンガン使うという姿勢で良いかと思います。というか、これしか方法がない。

目立った発信をすることで、いずれにせよ締め付けられる未来がくると思いますが、今は割り切っていくしかないですね。それでも、オーガニック検索やSNSは無法地帯ですが、広告を使う場合、外資のサービスを除けば国内企業の広告はすでに審査が厳しく、出稿は著しく制限されています。

国内企業においてはあはき法を基準に厳格に運用されてることが多く、審査を通過できないことがあるので、私自身も今、試行錯誤して色々トライしてる感じです。

そうは言ってもやりようはあるもので、アレコレやってクリアしてきました。(具体的なノウハウにつきましては、個人的な取り組みではなく、プロジェクトで行なっているため公開はしません。)

長くなりましたが、ずっと放置してたnoteですので読者がどれくらいいるか分かりません。まとまった数のスキがついたらフワッとした感じの記事になると思いますが有料部分を書こうかと思います。

暗くマイナスなことばかり書いてきましたが、患者さんの信頼を積み上げていければ盤石な経営基盤を築くことができるのが鍼灸院の強みです。難しいからこそ面白さがあるってもんです。

それでは。


一旦筆を止めて、最後まで書くか迷いましたが、ぼちぼちスキを頂いたので続きを書くことにしました。

今回はあくまで鍼灸集客の考え方についてなので、当たり前のことばかりで、具体的なノウハウや方法などは書いていません。相変わらずの淡々とした感じの読み物のようなnoteです。

2年ぶりくらいにnote書きましたが、書き始めたらあっという間で、割とまとまったボリュームの記事になりましたが、少し冗長かも… まぁ今回は特に編集せずサクッと出します。

鍼灸業界に足を踏み入れてもう22年。僕はガチ鍼灸師でない分、一歩引いた立場から客観的に業界を見れていると思います。俯瞰したところから、鍼灸師でなくても読める内容で書いてありますので、ご興味ある方はどうぞ。

具体的なノウハウには触れてませんが、このnoteを読み解くことで鍼灸をビジネスとして進めていくために何をするべきか、朧げながら見えてくるのではないかと思います。

ここまでお付き合いありがとうございました。

それでは、有料部分でお会いしましょう。

正直、個人的には鍼灸院開業はおすすめしないという考えです。開業を志す人には気軽に読んでいただきたいので無料公開を検討しましたが、内容にはあまり公に出したくない部分もありますので有料のままにします。


ここから先は

7,921字

¥ 500

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?