綾辻行人『十角館の殺人』
読みました。以下犯人について触れます。
実写化するみたいだし、ネタバレ踏む前に読まないといけないだろ! と思って読みました。めちゃめちゃ面白かった。ゆっくり読むつもりが年末ずっと読んでました。
「一行で話がひっくり返る」「映像化不可能」みたいな評判は事前に見ていて、なるほどなと。本名が出てこないのがポイントなんだろうなと思ってはいましたが、例のところは完全に「モーリス・ルブラン」を待っていたので「は?」となりました。思うつぼですね。いや六日目初めになんで守須宛に電話がかかってくるんだとは思ったんですよね。本当だよ! よく口紅の色の違いなんて気づくなとか。
これまでに私が読んだ推理物の綾辻行人作品は、「ここまでの内容で犯人を考えてね!」というのが差し込まれていたので今作も止めてくれるものだとばかり思い込んでいてどんどん読み進めてしまったので、立ち止まって犯人を考えられませんでした。でもまあ怪しいのは紅さんか守須ですよね、消去法的に。こういう考えで推理小説を読んでいると東野圭吾に怒られそうですが。
島の中では今の事件を、島の外では昔の事件をと、島の内外で話が進むのが面白いなと思いました。クローズドの中では得られない情報を読者に与えるいい方法ですね。
エラリイはずっときれきれだったのに吉川の遺体を発見してまでなお何故最期まで中村青司生存説を信じてしまったのか。
エラリイは見つけたい物しか見つけられてないんですよね。犯人は夜に島に乗り込んできていると思い込んでいるので昼の不自然には気付けない。いっしょに行動して同じ物を見ていたはずなのに、犯人の手がかりに気づいたのはルルウの方。青屋敷跡の地下の不自然には気付けるけど、十角館の地下の不自然には気付けない。
小説に出てくるような名探偵をするのは難しいってことなんでしょうね。
読み終わったので漫画版がどんなのか試読できるところだけ確認したんですが、舞台が現代になってるしオルツィ普通にかわいいし何より江南くんが女の子になってるし。どないなっとんねん!! ルルウは概ねイメージ通りでした。
実写ドラマも見たいんだけど、huluなんだよなあ。
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