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あたしのアルコール解放日誌

アル依存の話に戻ろうと思う。
今更ながら、予めことわりをしておくと、あたしはアルコール依存について何も知らない。
専門書を読んだことがないし『今日から減酒~アルコール依存にならない為に~』みたいな一般書も読んだことがない。
だから、あたしの文章はアル依存で苦しんでいる方には、全く役に立たない。
アル依存の当事者としての日常を書くばかりです。
今も飲んでます。

では。

18,9歳からウイスケを飲み始めて、おおよそ20年、飲まない日は数えるほどしかない。
禁酒もしたけれど、二十歳頃、痔の手術をして「飲むな」と云われて、痔が爆裂に痛かったので三か月酒を止したくらいで、それ以外はほぼ毎日飲んできた。
ちなみにいぼ痔は「座った方が痛いだろう」と思われがちだけれども、本当は座った方が楽。個人差はあるだろうけど。

幸い、地元に「痔」の名医がいらっしゃって、県外からも来院される方もあった。
早速手術だ。
その予診で、同伴者が必要だ、ということで、母親に連れ添ってもらった。
医者にあたしのお尻の中をライブ映像で観せられた。
「ここ、お母さん、触ってみ、これがいぼ痔」と、二十歳を過ぎたあたしは、お母さんに肛門を触られるという屈辱を受けた。
母にしてもそうだろう。

手術当日。
手術室なんて大したものはなくて診療室のベッドに横向きに寝転んで、麻酔を打たれていぼ痔を切除して終わり。
ただ。
肛門に針を刺してはいけない。学んだ。
無茶くそ痛くて予め「痛かったらベッドの手すりを掴んでね」という看護師さんの助言の通りだった。
そもそも肛門に針など打つべきではないよね。
「無茶痛い」と思いながら、気を逸らそうとして、周りをみた。
端っこで袋入りのキャンディーを食べてる看護師さんを見た。
色的に「グレープ味」だと思う。

あと2週間。
あたしのアルコール人生は終わる。