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コンセプトのつくりかたで見えてくる視座の変え方

視座を変えるから見えるへ。

物事を見る姿勢立場

引用:「視座」の意味や使い方 Weblio辞書 https://www.weblio.jp/content/%E8%A6%96%E5%BA%A7

辞書より。姿勢もさることながら立場が大事。見る立場。

仕事だと顧客の立場や取締役の立場と自分以外の立場になって考えることが該当する。時間軸だと未来の立場から逆算で見る。つまり視座を変えると見る範囲が増える。

問題解決における問いの立て方も見方も変わることで、よりよい解決方法が導き出せたりもする。自在に切り替えることで、そもそもやらない・何もしないという方法も思い浮かぶ。取るべき手法が最前に向かう。

人の目(視野・視点)を借りるとも言える。複数の目を借りれば、見える範囲も広がる。これが視座を変えることのメリットだ。視座を高める場合は見る範囲もより広がる。視界がよくなる。

ただ、この視座を持つために必要な方法はと考えた時に、何から取り掛かれば得ることができるのかとぼんやりと考えていた。

コンセプトのつくりかた

そう考えていた時にたまたま手に取った本が、コンセプトのつくりかた。この本の「第1章 おりていく」を読んで、ビジョンの話以上に視座の考え方として参考になるなと感じた。

この本ではコンセプトを作ることで、ものづくりに役立てるコアとなる考えを産みだそうという話。製品のビジョンに相当すると思いきや、一つずつ言葉を定義して、コンセプトを生み出す方法を図示・言語化している。

このひもときが視座を変えるやり方に近いと感じた。

本書の中盤はコンセプトワークを開くことで、さまざまな顧客の立場の実像をとなるコアコンセプトを探し当てる方法を取っていた。これは人の目を意識的に借りたり変えたりする手法を丁寧に解説していることになる。

立場を変える質問をしたり視点をズラしたりする本書の話は視座を意識するのに活用できる内容だ。

良いものを作ろう!から始めると危うい

コンセプトを考える時に「良い」という言葉を使ってはいけません。

引用:コンセプトの作り方 P.51

本書では「良い」と思うものを「既知の良さ」と定義。コンセプトを作るにあたって、良いものを作ろうと考えると「既知の良さ」から抜け出ることができないと解く。また、リソースがあればそもそも作れるとも。

確かに日々の改善活動は良いことと思ってやっていることが大半だ。だが、その良いことをやっているという考えだけでいると、既存のバージョンアップの繰り返しになり、いわゆるイノベーションは生まれない。

本書の製品作りの視点だと、無限のリソースを持つ大企業には勝てない。だから、リソース以外の何か(=コンセプト)が必要と。その対義として「未知の良さ」を定義している。

「良い」の反対の「悪い」(=既知の悪さ)を積み重ねると、誰もまだ直感的に理解できない良いものになる可能性(未知の良さ)を秘めているとしている。この考えに至るには、視点をかえるだけでなく立場の考えが必要だ。

世界を変えるコンセプトは自分を変えること

最終的にこの本の話は、コンセプトを元に世界を変える製品を生み出した時、その出発点はビジョンの手前にいる自分自身としている。自分の価値観(幸せになりたい)を元にビジョンがありコンセプトがあると。

未知の良さを実現するには、あなた自身が、「未知のあなた」になる覚悟が必要です。

引用コンセプトのつくりかた
P.316

本書の初めに繰り返し述べていることだが、自分自身の幸せのために自らが変わる必要がある。視座を得ることも未知の相手と自分を知ることだ。

コンフォートゾーンに陥ると視座を見失う

問題解決も既存の問題を解決するのではなく、根本的な問題解決が迫られる。既存の問題解決も「良い」ことだと考えれば、「良い」ことばかりをしているのだが、そこで視座の出番となる。

なお著者の最新作は、心理学やナラティブについてコンピューターゲームを通じて人の行動の期待や直感や飽きについて語っている。こちらも、いろんな立場に立って考える話なので視座のヒントに繋がるはずだ。

そして、ナラティブといえば対話。

この記事にも書いたが、他社の視点を借りることが自分を知ることにつながり、自分を知ることが変化につながり視座に繋がる。いかに相手の立場にたって物事を考えていないかという問いかけでもある。

このように、自分以外の立場になるには、自分の立場を把握する必要があり、それが価値観であり幸せを考えるきっかけになる。そのために、自分が変われるのだろうか?という問いが生きることそのものにつながりそうだ。

自分が変わることが視座を得ることにつながる。

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