夏と秋の狭間でaiko
夏の終わりに届くサマーソング。
7月からイメージする9月は、ギラギラの夏から哀愁漂う秋への移り目…そんな時に届くサマーソングは夏の余韻を噛み締めるのにぴったりじゃないか…!
という感じだったが、猛暑はまだつづく。
私が終わらせなくても、夏自身も終わらせる気はさらさら無いようだった。
aikoの5thアルバム「暁のラブレター」アナログレコードは、
待ちに待った週末と共にやってきた。
箱に書かれた「NO MUSIC NO LIFE」本当にそうだな…と思って、思わず「ノーミュージック…ノーライフ…」と呟いてしまった。
箱を開けるとそこにいたのはメリーゴーランドと小さなaiko。左下のラベルには「暁のラブレター 想い出のアナログ化 書き出しは唐突かもしれない」と書かれていた…
Loveletterだ…!!!!捨てられない。一旦取っておこう。こうやって使い道はないがどうにも捨てられないものが増えていく。
聴く前からこのようなときめきをくらいながら、「熱」を皮切りに順番に聞いていく。しかし気持ちは先走る。理由は2曲目に「暁のラブレター」きってのお気に入り「彼の落書き」が控えているからだ。しかも「熱」のアウトロと「彼の落書き」のイントロは繋がるような構成になっている。言ってしまえば「熱」の始まりは「彼の落書き」の始まりなのだ。まさに熱が徐々に上がっていくように曲調はどんどん盛り上がりを増していく。そして切れ目無く続き、爆ぜるようにアップテンポな2曲目へ。この流れが好きすぎる。ロックテイストのかっこいい曲調なのに歌詞は相変わらず可愛らしい。このギャップというかaikoらしさというか愛らしさというか。もうノリノリ。
「恋愛ジャンキー」でもそうなのだが、わがままなaikoが、俺は大好きだ。
あの小さいaikoに上目遣いで「今すぐその手でぎゅっと強く包み込んで」
なんて言われるのを想像しただけで、抱き潰してしまいそうになる。
そして、今回のメインがもう一曲。
以前紹介したキュートなサマーソング「帽子と水着と水平線」だ。
3枚目のレコードを取り出しセットする。
何度も聞いた前奏が流れ出した瞬間、これが待ち望んだ瞬間か…!
と夢が現実になった感覚にゾクゾクしてしまった。踊った。一旦通しで聞こうと思ったが、大好きな曲は1回で聴くだけでは済まされず、もう一度端っこに針を落とす。2回目は歌詞が記載された大きなカバーを広げて、歌ってしまった。キュートにはとうてい届かないが1人だから許してほしい、と思いながら、角部屋の特権を生かし大声で歌った。aikoの曲は文字で見てもいいんだよな〜。パッションピンクの明朝体も萌える。キュートさがより一層増している。
もう一丁!と行きたいところだったが、流石に一旦通しで聴こうと思い、4枚目のレコードまでセットし、まだ聴き込んでいない曲たちも拝聴した。
最後を締め括るにふさわしいエンディングのような「天の川」。暑さは残るが吹く風はもう秋のそれ。「髪が伸びて優しく靡いた」天の川が広がる空の下、夏の間に伸びた髪が、近づく秋の乾いた風に吹かれる様子をイメージし、針が止まる頃にはなんともキモポエミーな状態に仕上がっていた。
しかし、aiko本当に可愛さとパッションと脆さを兼ね備える理想の女の子だ。いつかの井口理が「aikoォ…好きだァ!」と叫んだように私も叫んでしまいそう。お手製のシュークリームにaikoとかいて渡してしまう愛の重さも今なら理解できる。この感情を自分以外と共有できたらどんなにいいだろう。そう思うと急に虚しくなってくる。夏の余韻なんていいものではなく、凍える季節が訪れることの現実味が増してきた。秋か………。
虚しくなった気持ちを埋めるために、今はわがままaikoとキューティーサマーソングに集中しようと思う。
残暑とaikoだけが私に寄り添っている…。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?