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夕暮れ-松江市

 松江市は僕が大好きな街だ。
どの季節にも趣がある。
いまの季節の松江を紹介しようと思ったが、
やはり秋の松江を紹介したい。

 松江城の周りの水路には水鳥が泳いでいる。
お年寄りが水路のそばに椅子を置き、餌をやりながら並んで話をしている。日差しが柔らかく感じられ、時がゆっくり流れている。

 魚や貝はすぐそばの日本海や宍道湖であがったものだ。鮮度は抜群でどんな魚料理も美味しい。シラウオ、シジミ、スズキ、アカムツ、何でも美味い。

 松江は小さな街にしては和菓子の店が多い。綺麗な芸術品のようなお菓子を見ているだけで楽しくなる。

 和菓子だけでなくケーキも美味しかった。リビドーというケーキ屋さんのマロンスフレは絶品だった。

 少し東に足を伸ばせば、足立美術館のある安来市がある。ここの日本庭園は四季それぞれの楽しみ方ができ、おすすめだ。

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 私がこちらに来る目的はこの庭園ではなく、美術館の方にある。
ここには私が大好きな宮北千織さんの「うたたね」215x170 が展示されている。

初めて実物を見た時、この作品の前から暫く動けなかった。それ以降、宮北さんの絵を追い求めて、美術館巡りを始めた。

 松江を旅して一番印象に残るのは、なんと言っても宍道湖の湖畔から見る秋の夕焼けだ。
晴れた日には空と湖面が黄、橙、桃、紫、灰色に染め上げられる。
刻々とその情景がかわっていく様に、時を忘れてしまうほど心を奪われる。

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この夕陽をみるだけでも、松江市に行く価値があると思う。
僕は、きっと今年も来年もそれ以降もずーっと、この街の秋の夕暮れを楽しみに訪れるだろう。


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