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サッカークラブとのパートナーシップについて考える。
いま現在、横浜FCでマーケティング戦略からプロモーション企画など、マーケティングのto C領域の責任者をしています。
その中で最近強く思うのは、顧客満足と顧客の創造には『自社コンテンツの価値は高いけど、自社コンテンツだけじゃもうどうにもならん』ということです。
既存の熱狂的なファン・サポーターに関しては、プロサッカークラブということ自体で一定の価値を提供できてはいるけど、もっと好きになってもらうために、更には新規やにわかのファン・サポーターにも興味を持ってもらうにあたっては「自社コンテンツだけじゃもうどうにもならん」のです。
そこで外の力をお借りした『パートナーシップ』について考える必要があると思いました。
特に考えたいのは、横浜FCを媒体として広告露出させる、というよりも横浜FCをきっかけにお互いの価値を高めて、顧客との新しい接点を創り、ブランドのファンを創れるか。
まずここから考えはじめます。
・僕らJクラブが提供できるものは何か?
・企業・メーカーが得られるものは何か?
▷Jクラブが提供できるものは何か
まずJクラブが持つ資産と与えられる影響を考えると
・サッカーの試合の興奮、感動体験
・チーム・選手の人気、かっこよさ
・Jリーグという公共性
・世の中に元気を与える社会性
・地域密着という地域性
・熱狂的なファン・サポーター
・既存のスポンサー企業
この辺りかなと思います。
大事なのは、自分たちの持つ資産をフル活用して組み合わせたプランニングが必要で、それで課題の解決策が見えるかどうか。
▷企業・メーカーが得られるものは何か
Jクラブと取り組みをするとして、企業側が得たいものは?と考え、成果に一番近いものから考えると
・売上アップ(購入・アプリDL・申し込み)
・来訪、来店(店や棚、HPに足を運ぶ、資料請求)
・顧客接点(新しい趣味嗜好の人たちとの接点(データやログも含む))
・イメージ(オウンドだけでは伝えられない新しいシチュエーションやイメージ創り)
・認知アップ(ボリュームよりも、新しいクラスターへの認知の質)
もし自分がブランドマネージャーだったとしたら、認知のための露出ボリューム(リーチ量)を取るなら圧倒的にCMやWEB広告をまわす方がROIは良いのでその選択は無し。購入やアプリDLなどCVを目的と設定するのも、多少は取れるけどたかが知れてるので無しです。
それよりも、Jクラブと取り組むことで得られるであろう、以下をどう自分のブランドに取り入れて相乗効果をあげられるかを考えると思います。
①クラブへの熱狂的なファンのロイヤリティ
②新しいシチュエーションでのイメージ創り
③伝え方を一変させることでの認知”質”のアップ
この3つを得られるようにKPIをたてて、間接CVを前提に成果を考える。なので単発プロモーションとしてではなく中長期のプロモーションとして考えます。(ざっくり最低3ヶ月くらい)
この目的を整理したうえで、プロモーションの手法を考えると効果的かなと思いました。
こんなことがありました。
プリマハム茨城工場の方に教えてもらった「香薫」のおいしい食べ方
— 眞田光一郎 (@Sana_da_Silva) November 9, 2019
1:フライパンに「香薫」と水(50mlくらい)を入れ、強火で加熱
2:水気がなくなるまで炒める
11/10(日)はパリッ!ぷりっ♪と「香薫」を食べて、14:00KO 愛媛戦「プリマハムサンクスマッチ」にご来場ください!#1万人でGOJ1 pic.twitter.com/xHqWdexBjx
友人がTwitterにクラブのスポンサーをしているプリマハムの「香薫」を投稿していました。友人の投稿なので僕は当然目にしますが、その後、そのクラブのサポーターたちが続々と「香薫」を投稿していて、数日間自分の頭の中に「香薫」の存在はインプットされました。1番影響されたのは実際に料理をしているシズル感のある動画を見たときに「あ、食べたいかも」と思った記憶があります。(これが認知と興味の瞬間)
勝利の香薫!
— チョコミントなニワトリ (@X0MbmRaPh0Gy2BL) November 10, 2019
水戸スタッフ眞田氏がプリマハムさん会社訪問した際教えて頂いたという調理方法してみましたっ。#プリマハムサンクスマッチ pic.twitter.com/4hPA5OcJRK
水戸サポお馴染みのおつまみ香薫に本麒麟がまた合うーーー😆👍#mitohollyhock#香薫 #本麒麟 pic.twitter.com/IhoLp9CV0O
— かなぶん (@knzwysnr1) December 4, 2019
それから2ヶ月半たったくらいで、スーパーで偶然店頭に並ぶ「香薫」を目にしました。
以前、一度だけTwitterのタイムラインで流れてきた「香薫」でしたがあの時見た動画を思い出して実際に購入しました。(認知の質が高かったことによる、高い想起率)→この質の高い認知はUGCの投稿。
そしてあの時見たシズル感のある動画はいま何度探しても見つからない・・・これがSNSがストックメディアだからフローでどこかに蓄積しておいた方がいいと思う理由のひとつだったりもしますw
水戸(@hollyhock_staff )の友人がおすすめしてた香薫をついに食べてしまった。
— 松本 雄一 (@yu_boasorte) January 26, 2020
彼の投稿で知って、その後水戸サポの方が続々とシズル感のある投稿してたこれ、クチコミ施策です。
このロイヤリティの高さがto C企業がクラブにスポンサードするメリットかも。#僕らはSNSでモノを買う #ウルサス本 https://t.co/GQ6KojiQNa pic.twitter.com/uebwNC5qct
そしてクチコミで見た自分は、クチコミを投稿。
といった感じで、
a.友人の投稿(告知)→認知のきっかけ
b.サポーターの投稿(UGC)→興味のきっかけ
c.店頭の商品パッケージ→aとbを思い出す
d.購入
e.SNSでシェア
という理想のカスタマージャーニーを描いてしまったわけです。
▷パートナーシップとして取り組む
ここで最も大事なのは、サッカークラブのパートナーシップとして取り組むとb.のサポーターの投稿(しかも熱烈)が発生する可能性が高いということ。
つまり、上の①クラブの熱狂的なファンのロイヤリティがブランドのPRに一役買ってくれる可能性があるということです。そしてこのファンはクラブをきっかけに直接CVする可能性があり、かつ熱烈な発信者になりa.の役割(告知)も担うことにもなります。
今季からFC今治のトップパートナーになってくださったユニ・チャームさんに感謝を込めて、ユニ・チャーム商品を爆買い。#FC今治 pic.twitter.com/p7rdD8buc3
— もぐ (@addictico527) January 26, 2020
わたし、今回の町田ゼルビアの件で、横浜FCのスポンサー企業をだいじにしようと思いました…。
— ごはん屋かぎしっぽ 待ってろJ1! (@tamanekoya) October 12, 2019
個人の範囲で使えるところはスポンサー企業を使います。
だからずっとよろしくお願いします!
FCサイバーエージェントヨコハマとかになったら嫌だ( ̄▽ ̄;)#yokohamafc #ゼルビア
ECOパートナー太陽油脂さんのシャンプー&リンス、ボディーソープを去年から使ってます😆年々手荒れがひどくてネットで調べたら『パックス』の記事が出てたんです。食器用洗剤やハンドクリームも見直したので、パックスだけで改善した訳じゃ無いかも知れないけど、どれか切らすと荒れるので効果あり❤
— 平鯛。 (@A_Flat10) October 12, 2019
今日は休みなのでスーツをクリーニングに!
— kurin @PROMOTED TO J1 (@Kurin4649) July 26, 2019
やっぱり行くのはラブリークリーニング!!!
横浜FCを応援してくれるサポーティングカンパニーを利用します。
クリーニング屋さんどこに出すかか迷ったらラブリークリーニングに行こう(^_^)#yokohamafc #横浜FC #ラブリークリーニング @lovelycl55 https://t.co/bioV8vzktM
こうして、クラブを好きなファン・サポーターは広告塔であり、インフルエンサーになってくれるケースが多いです。クラブを支え、一緒に取り組むパートナー企業様のブランドを熱烈に支持してくれて最も質の高い認知であるUGCを多く創出できるので告知効果が高いと言えます。
ブランドは新しいコンテンツとロイヤリティの高いファンを獲得(興味喚起)できるので、ブランディングの幅を広げられる。
サッカークラブも新しいコンテンツを得ることで新しいターゲットへアプローチをする機会が増え、新規顧客の獲得へ繋げられる。
マーケティングやプロモーションの観点から考えると、自身の持っていない資産を相手が活用することで、お互いのファンづくりに寄与するということがまずパートナーシップでできることなのかなと思います。
もっと経営的な視点からいくと、成果から得られた売り上げをレベニューシェアして次なる投資に充てるなどもあると思いますが、まだまとまってません。(鹿島とメルペイのアクティベーションが参考になる)
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![松本 雄一](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/8346508/profile_f9c40a9c03595122036c5f970a31e1d3.jpg?width=600&crop=1:1,smart)