第55回理学療法士国家試験PM69
運動生理学の過去問解説です!
ご参照ください!
グリコーゲンやグルコースをピルビン酸に分解する過程を”解糖”といい、反応がある過程でATPが合成される。
解糖系:生体内に存在する生化学反応経路の名称であり、グルコースをピルビン酸などの有機酸に分解し、ATP生成する代謝過程。
グルコースから生じたピルビン酸は、還元され最終産物として乳酸になる。このグルコースから乳酸への変換経路は、酸素の関与なしに起こりうるので、嫌気的代謝(解糖)と呼ばれている。
クエン酸回路(TCA回路、クレブス回路、トリカルボン酸回路)
ミトコンドリアでアセチルCoAが二酸化炭素と水へと酸化されATP生成する。
グルコース→ビルビン酸→アセチルCoA→【クエン酸回路】(オキサロ酢酸)+クエン酸→イソクエン酸→α-ケトグルタル酸→スクシニルCoA→コハク酸→フマル酸→リンゴ酸→オキサロ酢酸となる。
アミノ酸は、タンパク質から生成される。
アミノ酸は、結合してペプチドとなり、さらに高次構造(タンパク質の高次構造)が構成される。その働きは、触媒、酵素など他の分子の輸送や貯蔵、物理的支持や免疫防御、運動の発生、神経インパルスの伝達、細胞の増殖や分化の制御と、実にさまざまである。
クエン酸/フマル酸/イソクエン酸はクエン酸回路(好気的代謝)である。他には、オキサロ酢酸・α-ケトグルタル酸・サクシニルCoA・コハク酸・リンゴ酸がある。
ピルビン酸が嫌気的代謝の過程で生成される。
筋収縮のエネルギー源として直接用いられるのが
ATP(アデノシン三リン酸)。
クレアチンリン酸(CP):ATPと同様に高エネルギーリン酸結合をもつ物質で、クレアチンリン酸の分解によって得られるエネルギーを利用してATPが産生される。
ADP(アデノシン二リン酸)+CP⇔ATP+クレアチン(Cr)
グリコーゲンー乳酸系
筋に貯留されているグリコーゲンを分解し解糖系おいて無酸素的にATPを産生する。大量のATPを早急に必要とする場合に働く。
有酸素系:酸素の存在下にグルコースや脂肪酸などから生じたアセチルCoA(コーエー)をTCA回路(クエン酸回路)に投入し、ATPを産生する。
糖質(グルコースやグリコーゲン):解糖系→TCA回路→電子伝達系の3段階
脂質:グリセロールと脂肪酸に分解→解糖系やβ-酸化の反応によりアセチルCoAとなる→TCA回路で代謝。
蛋白質:アミノ酸に分解→脱アミノ反応によってTCAサイクルの中間基質やピルビン酸・アセチルCoAに変換され→TCA回路で代謝。
参考文献
中村隆一・他:基礎運動学第6版第20刷、医歯薬、2020。