ソウルの書店を巡ってきました
こんにちは、BNN営業部の安藤です。2024年6月26日~30日に行われた、ソウル国際ブックフェア(Seoul International Book Fair)2024に参加するため、ソウルへ行ってきました。
ブックフェアへ行く前には現地の書店へ足を運ぶことにしています。今回はアートやデザインなどのビジュアル書の取り扱いの多い書店を中心に行ってきたので、いくつか紹介したいと思います。
① STILL BOOKS
ソウル駅から地下鉄4号線でひと駅、会賢駅の地下街から歩いて1分ほど。クリエイターのための場所(コワーキングスペースやゲストハウス)を手掛けるLocal Stichのスペースに構える書店です。
様々な切り口で選ばれた本は、ハングルが読めない私でも好奇心を掻き立てられます。ついついGoogleレンズをかざしてタイトルを翻訳をしてしまいました。
② The Reference
景福宮駅から歩いて15分くらいでしょうか。景福宮を右手にみて、ギャラリーやカフェが並ぶ通りを北へ向かいます。大きな通りから小さな道へと入り、周囲に韓国の古い家が並んでいるなかをさらに北へ向かうと、現代的な住宅街の中にTHE REFEERENCE SEOUL と書かれたレンガ造りの建物が見えてきます。
The Referenceは、韓国の出版社IANNBOOKS(アート誌『IANN』の版元)が手掛けるスペース2階にあるアートブックストアです。小さなビルの一角で蔵書数は少ないですが、洗練されています。
③ BOAN BOOKS
景福宮駅から北上して徒歩5分くらいにある、アートスペースとカフェホテルなどが入った複合施設・BOAN1942 のなかにある書店です。古い旅館をリノベーションをして使用しているらしいです。
写真/アート/デザインといったビジュアル書がメインの品ぞろえ。詩や思想書など、テキストの多い本もあります。
私が行ったときには大きな犬が店番をしていました。数組のお客さんが本を眺めていても、動揺することもなくガラス越しに見える通りをずっと眺めていた。書店の雰囲気をそのまま纏っているような姿。
④ 教保文庫光化門店
地下鉄5号線・光化門駅に直結しているけれど、海外の雰囲気に気持ちが昂って歩いて向かいました。6月下旬のソウルは暑くて、教保文庫に着いた頃には少し後悔。書店に入った瞬間にヒヤッとするエアコンの冷たさが心地いい。
教保文庫光化門店は韓国で最大の書店。平台が低く設置されていて、書店の見通しがよいです。ジャンルごとにしっかりとまとめられていて探しやすそうでした。
⑤ 永豊文庫鐘路店
地下鉄1号線鐘閣駅に直結していますが、ここも懲りずに歩いて移動。やっぱり暑かった。
永豊文庫もまた、韓国最大級の書店です。昨年も訪れたのですが芸術書は少ない印象です。今年はより少なかったように感じました。
⑥ THANKS BOOKS
ここに来るのは今回で4度目になりました。合井から歩いて5、6分。大通りからアクセスすると分かりやすいですが、飲食店街を通り抜けるよるようにして歩くのが少し近道です。
うかがった日は、ボタニカルアートの詩画集の展示が行われていました。店内には、書店スタッフによる京都の旅行記も飾られていました。知っているところを見つけると急に親近感を覚えます。
書店総感
昨年に比べると「イラスト技法書」(弊社がよく出すジャンル)のスペースが少なくなっているようで、その代わりに映画や脚本などの書籍が平台を占める割合が大きく感じられました。
エージェントの方に聞くと、「イラスト技法書」は今も人気らしいです。脚本関連は今、需要が高いそうで、世界的に韓国ドラマがヒットしている影響もあるのかもしれない、ということでした。
音楽、映像、ウェブトゥーンなど、韓国のコンテンツ産業はここ数年で急激に伸びています。一方で、出版業界は日本同様、不況が続いています。新しい収益の方法を生み出す必要があると、考えさせられました。