【QR】ビジネスマンの為の音楽芸術史
ビジネスモデルオリンピア2020の連動企画として行いました『ビジネスマンの為の音楽芸術史』という企画になります。
全3回で行っています。3回目の『民族音楽篇』はFacebookのBMIAページで無料で見ることが出来ますので、宜しければご視聴ください。
この講座は、ビジネスの世界でアート思考が注目を集める中、そもそもアートとは何か基本的な知識を得ることで、ビジネスモデルオリンピアで得られる知識や気づきを深くする事を目的として行いました。
音楽芸術は、本当に幅が広く何を持って音楽となすか、どうしてその音楽が生まれたのか、新しい楽曲が生まれる瞬間何が起きているのかを知ることが大事だと考えています。
またこういった話をビジネス文脈で伝える人はたくさんいますが、本物のアーティストが伝えるものはあまりないという事で、今回コントラバス奏者で、舞台音楽や演出において様々な探求を続けている河崎純氏にお話をして頂きました。
ぶっちゃけ、ビジネスの人が話した話を聞いてアートをわかった気になるのにはかなりの違和感を感じます。
中身を少しだけ紹介します。
芸術とは何か
音楽芸術とは何かという事ですが、音楽や芸術という言葉は後付けで存在しており、それは本来我々のそばに『在る物』でした。
そもそも言葉で表現できるものではありませんので「いっそ言葉なんか覚えるんじゃなかった」という田村隆一さんという詩人の言葉がしっくり来るいわゆる非言語表現です。
それでも、それを表現する芸術家を無理やり説明すると、既存の価値観にではなく、そこから逸脱した発想を持つという意味で芸術家は「アウトサイダー」とも言えるかもしれません。
アウトサイダーアートというものがあります。スイスのローザンヌ(奇しくもBMIAとゆかりの深い土地ですね)にあるアールブリュット美術館というところには、精神や身体に障害、疾患を持つ人との創作行為による作品が多く展示されております。そこにはアートという言葉には収まらない、オブジェや絵画が在り、彷徨っている精神が棲み処を見つけたように、落ち着きを取り戻す不思議な体験をすることが出来ます。
今回のBMIAオリンピア2022には、ヘラルボニーという障碍者の作品を様々に商品化しビジネス化する会社の代表にご登壇いただきます。正にこのアールブリュットに直結する経済的意図がない純粋な創作や精神表現が、ビジネスモデルという媒体を使って世の中に解放される新しい世界のビジネスの形をご紹介頂きます。
音楽の起源
音楽の起源のひとつに祭りや伝統的な宗教的儀式があり、そこにはその時の社会の構造いわゆる家族や村へもしくは自然そのものへの帰属意識を確認する目的で使われていました。この音楽には作者もなければ楽譜もありません。その場限りのものも存在します。
一方で明確に作者が存在し、作者の個性が特定出来る創作行為があります。例えば西洋クラシック音楽のようなものでしょうか。作者や制作プロセスが明確になり音楽という言葉で表現されるようになりました。
キリスト教的な調和を体現するのが、音楽の三大原理などといわれる、メロディ、ハーモニー、リズムです。ハーモニーは、よくコードとか和声と呼ばれます。合唱では、声の高さを、ソプラノ、アルト、テノール、バスの4声に分けます。メインのメロディーがそのうえで奏でられます。それによって音楽の響きは安定します。主旋律のメロディがメイン、主であるならば、ハーモニーは従うほう、主従関係の従になります。バッハが完成した対位法は、たとえていうなら、主従関係のないポリフォニーの状態のまま秩序を与えました。ばらばらなのに秩序がある、これはなかなかすごいことですね。主従関係をシステム化することはどちらかといえば簡単なことです。社会で喩えればそれは封建制度です。しかし主従のない関係をシステム化したというところはどこかティール組織につながる概念です。
輪唱を複雑にしたフーガ(おいかけごっこ)というものがあり、有名な「フーガの技法」という曲があります。システムの構築には数学的というか科学的な遊戯の側面もあります。神聖なる世界に遊びを導入しました。
新しい世の中の組織とは、固定化された会社組織(ある意味神聖な)にどのような遊び(創造性を生み出すシステム)を導入できるか、それでいて秩序が保たれているそんな組織なのかもしれません。
世界に何を生み出すべきか
こういった、音楽の進化、変遷はその時々の世界の構造によって生み出されています。よくある商業音楽と実験的な現代音楽の違いを比較する事はナンセンスです。それらが生まれた世界の構造を具現化しているに過ぎないからです。
宗教や貴族が、力を持った世界で生まれ音楽、自由経済により経済成長する世界で生まれた音楽としての表現それ以上でもそれ以下でもないわけです。
これは、ビジネスも同じです。変化しupdateした世界において、どのような価値を生み出す事が求められるのかビジネスモデルオリンピア2020にて深めていきたいと思います。
理事
國井 誠
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