イベント告知「転回から学ぶ哲学 世界の見方を変える哲学史入門」
最近、ビジネスパーソンの間で哲学や芸術への関心が高まっている。前回の事業構想サロンでは、森美術館で開催中の『シアスター・ゲイツ展』ツアーを行い、芸術、特に現代アートに関するさまざまな視点を提供した。今回は、もうひとつのホットトピックである哲学を取り上げる。
哲学は、古代ギリシアのソクラテスやアリストテレスを始めとして、多くの有名哲学者によって、さまざまな思索が積み重ねられてきた。一方で、科学のように最新の哲学を学べば大丈夫ということはなく、現代においても、アリストテレスの哲学から常に新しい発見がもたらされている。その結果、哲学を語るには、すべての哲学者について通暁していなければならないように感じられてしまう。ひとりの哲学者、たとえば中世キリスト教哲学のアウグスティヌスを読まずして哲学は語れない、などと言われると、誰もが押し黙ってしまうしかない。科学の世界では、そうしたことはなく、たとえば『プリンキピア』を読んでいなくとも、最先端の科学研究を進めることは可能である。
これは、いわゆる自然科学と社会科学の立脚点の違いによるものである。自然科学では、新しい学説によって古い学説が塗り替えられていく、いわば直線的進化を遂げているのだが、社会科学では、古い学説の新しい側面を再発見することによって、いわば循環的進化を達成しているからだ。
今回の哲学講座は、カントの哲学を紹介したり、ハイデガーについて語ってみるような、個々の哲学者にフォーカスを当てることをしない。哲学が行ってきた循環的な営みについて、過去の見方が覆るような瞬間、コペルニクス的転回にスポットを当てて紹介していく。デカルトの「我思う、ゆえに我あり」という有名な言葉で知られるできごとは、一体何を転回したのか、独断のまどろみから目覚めたカントに、世界をどのように姿を変えたのか、フッサールの現象学的転回は、私たちの経験にどのような影響を与えるのだろうか。こうしたさまざまな転回のつみかさねをたどりながら、哲学史を概観する。
講師は、哲学を専門としていないため、多くの間違いや言い足りないこともあるが、あくまでビジネスパーソン向けの講座ということで、ご容赦願いたい。
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日時 2024/09/17 (火) 20:00 - 21:00 JST
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小山龍介のビジネスモデルノート
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