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私(にとって)のお店
2020,2,29をもって、私のおばあちゃんが経営していたスナックが29年間の幕を下ろした。
仕事をはじめてお酒の楽しさを知り、休みがあれば毎晩京都へ飲みに行っていた。今の彼氏もそこで出会った。お酒が好きな二人だから、新しいバーや飲み屋を探すのが楽しかった。平日ボロボロだけど、休日の楽しみ方は私が世界で1番だと思った。
なのに、私がばーばのお店に行ったのは閉店すると決まってからだ。
閉めちゃうから、と焦って、でも気を使わせないように元気に。
彼氏を紹介できた。いつもより綺麗なばーばがお客さんに慕われながら、そこにいた。
駅から徒歩50歩ほどの近さにある「スナックのり子」はばーばが私の母のお父さん(会ったことないがじーじにあたる人)と別れてから、母やその兄、妹3兄弟を育てるために始めたお店。
私も生まれた時からずーーーーっと、ばーばはお店をやっていて、夜綺麗にお化粧や夜用のキラキラな洋服を着てお店に立つ。
それがばーばの姿だった。
そんなばーばは売り上げの関係でお店を閉めることになった。
突然のことだった。ばーばも売り上げの話を母たちに相談したのは初めてだろう。そしてばーばを母の兄弟のどこかへ引き取る(この言い方は嫌だけどほかになく。。。。今だけ致し方なく)ことになり、相談に相談を重ね、母の兄の元へ引っ越すことへ。ばーばの唯一の家族、愛犬ハリーだけは母の妹の家へ。
明るく引越し作業をする毎週末。お店のコップやお皿やなにからなにまでまーーーーー出てくる出てくる物もの。それを小さな3段のボックスに減らすまで3ヶ月かかった。
引越しがおわり、見たことのない物の少なさ、ガランとした寂しい風景になった店内。
ごめんね、毎週私遊んでいたのにばーばが毎晩頑張っていたことわかっていたはずなのに一度も遊びに行かなかった。
引越ししながらお店をあけるばーば、最終週の頭と最終日だけ、彼氏を紹介がてらはじめていった。それが大人になって初めて見た、お客さんの前に立つばーばの姿、長年の歴史がつまりまくった壁、椅子、コップ、カラオケ機材、スナックのり子の姿だった。
私(にとって)のお店、あることが当たり前なスナックのり子。
そして今はそのお店はないけど、ずーっと私の中ではばーばはスナックのり子のママだ。
ばーば、お疲れさま。
私たちの場所を作っていてくれて、ありがとう。
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