【日本一カンタンな「投資」と「お金」の本】
こんにちは。
本日は中桐啓貴著【日本一カンタンな「投資」と「お金」の本】についてのまとめと考察を綴って行きたいと思う。
総評としては、ものすごくわかりやすい投資とお金と経済の教科書的な本という印象である。
この本を読むと投資して資産を増やすことの合理性が理解できるので、漠然とした投資に対する不安は消えることだろう。
逆にちょっと残念なポイントは以下2つ
◯ストーリー長にはなっているものの教科書的な内容が多く、心が衝き動かされるような内容や表現をあまり感じられなかった。
◯実際の運用の際に必要なノウハウの説明が雑。投資を始めたい人にとってはわかりにくい単語の説明なども少なく、この本だけで運用を開始しようと思ったら挫折する人が多いかもしれない。
以下、本の内容を簡単に解説する。
1.投資は本当に儲かるのか?
こちらは本書でも紹介されているシーゲル著の「株式投資」の図である。
この図は200年前の1801年に、当時の1ドルを米国株式(アメリカ全ての株式)、債権、金、現金にそれぞれ投資したら、200年後にいくらになっているかを表したグラフです。
米国株式の圧倒的伸びをみよ。
1801年に米国株式に1ドルの投資をしたならば、200年で60万ドルに増えている。
逆に現金は10分の1以下の価値になってます。
結果論ではあるものの、株式投資は長期的に資産を増やす効果はありそうである。
2.Mr.マーケット
株式市場とは、厄介なことに、まるで人の感情の起伏のように、上がったり、下がったりする。
ゆえに、世界的な投資家であるウォーレン・バフェットが株式市場を指摘する際に好んで「Mr.マーケット」という言葉を使う。
株式市場が乱高下する理由は人間の欲望と恐怖という人的な要因が大きいそう。
なので、プロの投資家でも株式市場がどうなるか予測するのは難しいのだ。
であるならば素人が適当に株のトレードを始めるのは、拳ひとつでペンタゴンを制圧しようとするくらい無謀なものに思える。
3.生き残るための投資戦略
ではプロのトレーダーでもない私たちが投資で成功する具体的な戦略はなんなのだろうか。
ポイントは二つ。
①1つの株に投資しない。投資先を分散させること。
②積立投資を行って時間分散をさせること。
①に関しては投資先を分散させることによって、ひとつの株で損をしてもほかの株でカバーする戦略が取れる。
よく言われる「卵をひとつのカゴに盛るな」理論である。
また、②の積立投資のメリットは一回あたりの投資額が少ないので無理なく始められるという点である。
さらに毎月自動で引き落とせば、ほとんど株価のことを気にすることなく投資ができる。
つまり、ストレスフリーに投資を続けることができるのだ。
4.結局何を買うのか
投資先を分散させる一番良い方法はインデックスファンドと呼ばれるものである。
インデックスファンドとは、「日経平均株価」や「NYダウ」などの株式指標と同じような値動きをするように作られた投資信託(あなたのお金を使って専門家が運用してくれる投資商品)の1つである。
株式指標は市場の平均を取ったものなのでインデックスファンドは「分散投資」の意味合いでは最強の商品である。
全米インデックスファンド、全世界インデックスファンドなど様々な条件のインデックスファンドがあるので自分にあったものを選んで積み立てていくことで専門家に任せながら分散投資を行うことができる。
5.積立NISA&iDeCo
積立投資をする際に知っておきたい制度が積立NISAとiDeCoである。
名前だけ効くと難かしそうに感じますが、要するに
積立投資するときにかかるいろんな税金外したるから、みんな投資してや!!
と政府が作った制度である。
税金が安いことに越したことはないので、有効に活用しよう。
6.まとめ
現代はこれ以上ないほど投資のしやすい時代となった。
ほんの20年ほど前はこういった投資をするためのサービスや基盤がほとんど整っていなかったのである。
今という時代に感謝し、効率よく時間とお金を使って有効に投資することをオススメする。
以下、本文より抜粋
○投資はプラスサムゲームということです。(中略)
投資は世界経済が発展を続ける限りは投資をしている全員が儲けられるのです。
○資本主義とはリスクに向き合うことで豊かに暮らすことができる社会であることは理解しておくべきです。
○「コア・サテライト戦略」についてお話しましょう。(中略)
コア資産というのは、これから5〜10年間、使わないお金を長期分散投資で、じっくり腰を据えて運用をする資産になります。サテライト資産というのは、ハイリスク・ハイリターン狙いの資産です。
○個人投資家がバブルをうまく乗り切るには2つしか方法はありません。
1つ目が卵を一つのカゴに盛らない。
2つ目が、積み立て投資をして時間を分散することなのです。
○「ウォール街のランダムウォーカー」の中で、ウォール街のプロが選んだ銘柄のポートフォリオと、猿がダーツを投げて選んだポートフォリオと成果はほとんど変わらないと書いたのです。
○ただ、重要なのは、繰り返しになりますが、リスクから考えることです。下がったとしても20%ぐらいまでと分かっていたら、仮にそうなったとしてもこれは一時的なものと思って耐えられそうですね
○私たちの将来の成長を決めるのは土地の大きさや資源量ではなく、知識の量になります。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。