【APEC】トランプ関税に懸念!正反対な日中首脳会談と日米韓首脳会談
こんにちは!
今回は、APEC(アジア太平洋経済協力会議)に焦点を当て、経済と安全保障が複雑に絡み合う東アジアの現状について解説していきます。
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1. APECの背景と重要性
2024年11月、ペルーのリマで開催されたAPEC首脳会議。21の国と地域が集まり、アジア太平洋地域における経済協力の強化をテーマに議論が交わされました。
この枠組みは、1989年に閣僚会議としてスタートし、1993年から首脳会議へと発展。現在では、世界のGDPの60%、貿易量の50%を占める巨大な経済圏を支えています。
今回の会議では、特に米国の保護主義的な動向が注目されました。トランプ政権時代の関税引き上げ政策が再び議題に上がり、各国はこれが世界経済に与える負の影響について懸念を表明しました。
IMFの試算では、これらの政策が進めば、世界のGDPの6%に相当する貿易量が減少し、経済全体の縮小が避けられないとされています。
2. 日米韓の連携と北朝鮮の脅威
APEC期間中、特に注目されたのが日米韓の三国間で行われた首脳会談です。
この会談では、北朝鮮の軍事的脅威が主要な議題となりました。北朝鮮は最近、ロシアとの関係を深めており、ウクライナ侵攻に協力する形で兵士を提供しているとの報道もあります。
この動きにより、ロシアからの軍事技術の供与が進む可能性が指摘され、北朝鮮の軍事力がさらに強化される懸念があります。
一方で、中国との複雑な関係性も浮き彫りに。北朝鮮と中国は同盟関係にあるものの、核実験を巡る意見の対立など、両国間には不信感が漂っています。
ロシアが北朝鮮と密接な関係を築くことで、中国の影響力が低下する可能性もあり、地域全体の安全保障環境が不安定化する恐れがあります。
3. 日中関係の現状と未来
もう一つの焦点は、冷え込んだ日中関係の改善に向けた動きです。
首脳会談では、戦略的互恵関係の維持を再確認したものの、成果は限定的でした。背景には、尖閣諸島を巡る軍事的な緊張や、中国国内での反日的な動きが影響しています。
特に今年、日本人学校の児童が刺殺された事件や、汚染水問題を巡る中国側の主張が対立を深める一因となりました。
中国側としては、経済が停滞する中、日本との協力を模索する意図が見え隠れしますが、これまでの行動が「押し付けがましい」と日本側から受け取られる場面も多く、信頼回復への道のりは長いと言わざるを得ません。
4. グローバルな地政学リスクの高まり
さらに注目すべきは、東アジア全体の地政学的リスクの高まりです。
北朝鮮や中国の動きに対する懸念だけでなく、中東や東南アジアにおける紛争リスクも無視できません。このような状況では、防衛関連の需要が世界的に増加し、各国が軍事力の強化に向けた政策を進める傾向が見られます。
日本国内でも、防衛産業や東アジアのリスクに関連した投資への注目が集まっており、個人投資家にとってもこれらの動きが無関係ではありません。
特に、グローバル経済の不安定さが続く中では、資産の分散投資やリスク管理の重要性が一層増しています。
結論
今回のAPECは、経済と安全保障が密接に絡み合う東アジアの現状を浮き彫りにしました。
米中対立が続く中、地域内の国家間協力がどれだけ進展するかは不透明です。また、日本にとっては、米国との同盟強化、中国との関係改善、そして北朝鮮への対応と、多くの課題が山積しています。
これらの動きを注視しながら、私たち一人ひとりが持続可能な未来を描くために何をすべきか考えることが求められるでしょう。次回も最新の国際情勢をお届けしますので、ぜひお楽しみに。
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参考文献
日本経済新聞. (2024年11月16日). 日中首脳会談「思惑ズレ」「安保進展少なく」 識者の見方. https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA160O80W4A111C2000000/
木内登英. (2024年10月23日). トランプ再選で関税引き上げの応酬が起こると、世界GDPの6%相当の貿易が減少(IMF世界経済見通し). 野村総合研究所. https://www.nri.com/jp/knowledge/blog/lst/2024/fis/kiuchi/1023_2
FNNプライムオンライン. (2024年11月17日). 日韓首脳会談 北朝鮮のロシアへの兵士派遣や核・ミサイル問題で深刻な懸念 緊密連携を確認. https://www.fnn.jp/articles/-/788410
NHKニュース. (2024年11月16日). 石破首相 初の日中首脳会談や日米韓首脳会談 内容は【詳しく】. https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241116/k10014640321000.html
日テレNEWS. (2024年11月16日). 中国政府“日本人短期滞在ビザ免除”再開検討か. https://news.ntv.co.jp/category/international/794ac7ceb6dc44e78c2cc532eb221edf