仲間キャラクターがたくさん登場するRPGを作る

仲間キャラクターがたくさん、といってもそんなに何十人も登場するわけではなく、ファイナルファンタジーシリーズのように数人の登場キャラクターの中から数人選んでパーティーを組む、みたいなRPGが好き。
自分が作って公開したゲームはパーティー性の作品はあまり多くないけど、ネットで公開する以前にRPGツクールで作っていたゲームなんかはわりとパーティーを組んで冒険するようなゲームが多かった。

初めて遊んだファイナルファンタジーシリーズが、シリーズの中でも特に仲間キャラクターの数が多いFF6で、この作品で自分の好みがかなり決まったと思う。
FF6は今思い返しても独特な魅力のあるRPGだった。色々な境遇のキャラクターが集まって、一度は滅亡した世界を救うためにパーティーを組んで旅をするっていうシチュエーションにすごく惹かれた。ストーリー的にも魅力的だし、色んなキャラクターを操作できる楽しさもあったし。

子供のころ初めてRPGツクールでゲームを作る時のあるあるで、とりあえず深く考えずに好きなゲームの形だけ真似してみる、というのがある気がする。
僕が最初のころに作ってたゲームも、まずはシナリオを考えるよりも先にパーティーキャラをたくさん用意するところから始まった。シナリオをちゃんと考えてないので、そのキャラクターたちが集まる理由はなんとなくはっきりしないまま、とにかく集まって冒険をする。
作ることに慣れてきて、ちゃんとシナリオを考えて書くようになってからは、パーティーメンバーが集まる経緯をしっかり作っていかないといけなくなる。そうすると、ファイナルファンタジーシリーズって結構難しいシナリオでできてるんだな、ということに気づく。

パーティーメンバーが集まる理由。何らかの形で全員が同じ境遇、という形にするのが比較的簡単だと思う。たとえばFF8はほぼ全員が同じ任務を持った部隊の一員で、最後までその目的もほとんど変わることが無い。
でも自分が作りたいと思ったのはやっぱりFF6で。全然違う境遇のキャラクターたちが集まって戦うというあのシチュエーション。しかも最終的に世界を救うというとんでもなく大きな目的のために行動を共にする。
ゲームを遊んでいる時はなんとなく遊んでいたけど、実際そういうシナリオを書こうとすると、考えれば考えるほど成立しづらいお話だということに気づく。これだけ境遇の違うキャラクターたちが全員世界を救うために力を合わせようとするか? そもそもそんな強大な敵と戦うほどの力とモチベーションを持った人間が何人も揃うか? 真面目にシナリオを書こうとするほどつまづく部分が多い。
でも、ゲームを遊んでいる時はなんとなく流れで受け入れてしまっているそんなシナリオが、実際に書こうとすると疑問が多い、というギャップもそれはそれでなんか面白いな~と感じた。そんな無茶なシナリオを成立させてなんとなく遊べるようにしてしまう、ということ自体もゲーム制作の面白さなんじゃないか、という。
そのあたりを意識するようになってから、シナリオ制作がすごく楽しくなった気がする。

FF6的なシナリオの好きな部分のひとつが、世界を救うという最終的な目標が定まるまではそれぞれのキャラクターがそれぞれの目的を持って行動しているところ。バラエティー豊かなキャラクターが登場するので、みんな最初はそれぞれ違った目的を持って主人公たちに関わってくる。
だからシナリオの流れによってはパーティーに加入したり離脱したりする。プレイヤーの都合と関係無く、キャラクターの目的によって操作できるようになったりできなくなったりするっていう。これがすごくゲームのシナリオの豊かさになっていると思う。
しかも最終的にはひとつのパーティーになるわけなので、うまいことそのキャラクターと主人公たちのタイミングが合ってまた再会したりする。これがすごくドラマチックに感じる。どこでまた会うんだろう、ってワクワクしたり。ゲーム的にも、メンバーの入れ替わりによって強制的にバトルの戦略が変わってきたりするのも面白いし。
そういう、パーティー編成のメリハリを楽しませるようなシナリオを書くのがRPG制作のすごく面白いところだと感じる。

制作中の2DドットRPG『リバーズファンタジー・クラウドレスデイ』のイメージイラスト。まさにいろんなタイプの登場人物たちが共に旅をしていくというイメージ。

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