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NODA・MAP第27回公演『正三角関係』東京芸術劇場プレイハウス

NODA・MAPは体力を使う。全編を通してめまぐるしいし、冒頭から中盤までは気楽な感じでいられても、終盤に用意されているヘヴィな展開に目だけでなくココロも釘付けにされる。アタマの中に様々な要素を詰め込まれてぐるぐるとかき混ぜられたような観劇後はグッタリすることも多いが、同時にある種の晴れやかさを感じるという、凄く不思議で独特な気分になる。そんなNODA・MAPの最新作『正三角関係』を、お馴染みの会場である東京芸術劇場プレイハウスで観た。

操上和美の写真が印象的なメイン・ビジュアル

ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』に想を得た、日本のとある場所のとある時代の花火師の話であるらしい。" 事前に原作小説を読むのは勝手だが、大変なので骨も心も折れる。かといって、ネットやマンガなどで粗筋をわかった気になって観に来るのが心に最も危険 " という野田秀樹のコメントがあったが、これとは関係なく、原作にはまったくふれずに臨んだ。

松本潤、長澤まさみ、永山瑛太に加え、竹中直人、村岡希美、池谷のぶえ、小松和重らの魅力的なキャスト。特にナマの舞台で観るのは初になる長澤まさみは、TV放映で観た2021年の『THE BEE』が印象的だったので、特に楽しみにしていた。

まったく異なる人物を二役で演じる長澤まさみは期待通りで、TVや映画とは違う魅力に溢れたその姿には、目だけでなく身体ごと惹きつけられてしまった。永山瑛太の安定感と竹中直人の存在感に、舞台が一気に華やぐ池谷のぶえなど、見応えあるシーンの連続だったが、鑑賞前には先入観の持ちようがなかった松本潤の予想を超えた熱演には唸らされた。独壇場とも言えるクライマックスのシーンから、カーテンコールでのすべてを出し切ったような表情は、特に感動的だった。

舞台セットの模型

松本潤、長澤まさみ、永山瑛太の三者三様の素晴らしさと、終盤に訪れる野田地図的展開には、わかっていても圧倒された。ちなみに観劇した日は8月15日。この日になったのは偶然なのだが、いろいろと考えさせられたな、やっぱり。

P.S.(08/25追記)
池谷のぶえのあのセリフはアドリブで、毎回が異なっているのかもなぁ…なんて思っていたが、そうではないらしい。


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