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演劇・舞台のこと
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ガード下のオイディプス - スフィンクスの謎解き すみだパークシアター倉

開演まであと10分ほどになった頃、串田和美さんがふらっと出てきた。僕は単に様子を見に来たのかな…くらいに思ったし、客席に向かって " まだ始まらないよ " と言いながら、会場の近所が運河だったことや倉庫で演劇をしたいと思っていたということ、そして客席に貼られた劇団自由劇場のこけら落とし公演『イスメネ地下鉄』のポスターを前に当時の話をしてくれた。まだ客入れ中だったし、ほぼオフ・マイクなので、客席すべてに話が届いていたわけではなかったと思うけれど、リラックスした時間が流れ、それな

NODA・MAP第27回公演『正三角関係』東京芸術劇場プレイハウス

NODA・MAPは体力を使う。全編を通してめまぐるしいし、冒頭から中盤までは気楽な感じでいられても、終盤に用意されているヘヴィな展開に目だけでなくココロも釘付けにされる。アタマの中に様々な要素を詰め込まれてぐるぐるとかき混ぜられたような観劇後はグッタリすることも多いが、同時にある種の晴れやかさを感じるという、凄く不思議で独特な気分になる。そんなNODA・MAPの最新作『正三角関係』を、お馴染みの会場である東京芸術劇場プレイハウスで観た。 ドストエフスキーの『カラマーゾフの兄

ふくすけ2024-歌舞伎町黙示録- THEATER MILANO-Za

4度目の舞台化とのことだが、僕は初めての鑑賞だ。大人計画中心の豪華キャストの中で、黒木華、岸井ゆきの、そして松本穂香の、舞台で観るのは初になる3人を特に楽しみにしていた。 黒木華は彼女自身の素をそのまま出してサカエを演じていたかのような自然さが印象的。岸井ゆきのはフクスケというキャラになりきっての振り切れ感が最高。松本穂香は登場時からフタバにしか見えない存在感が強烈。予想以上に魅力的だった3人の女優が素晴らしかった。 登場人物が多い芝居は得意ではないのと、再演とは言え初見