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ライヴのこと
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#ライブレポ

ダージリン ホステッドライブ 目黒BLUES ALLEY JAPAN ~高野寛 祝35周年の宴~ 2025.02.16.

ライヴ前に『A-UN』を聴いて臨んだのは大正解。MCにもあったように、このアルバムのレコ発ライヴも兼ねていた内容だったから。歌ものはもちろんなのだが、白眉は2部の幕開けに演奏されたインスト「Salsa de Surf」。心から音を楽しむ5人のミュージシャンを僕は観て聴いただけなのだが、その楽しさったら…。あれは何と表現したらよいのだろう。ステージ上の幸福がそのまま客席にまで広がっていくのが実際に見えたような気さえした。 一昨日に観たダージリン(佐橋佳幸&Dr.kyOn)とs

塚本功 新春スペシャル2days(振替公演)ゲスト:小島麻由美 下北沢lete 2025.02.15.

本来ならば毎年恒例の年明け早々、1/4(土)に開催される予定だったが、小島麻由美の体調不良により延期されたライヴだ。 思えば、leteで二人を観るのは何回目だろうか。会場は20人も入れば満員という空間なので、強烈な " 二人の部屋で聴かせてもらっています感 " があるうえ、最低限の打ち合わせはあるだろうけれど、実際にはぶっつけ本番で曲を立て続けに演奏…しかも阿吽で反応しながら進行する展開に圧倒された初体験だったが、その印象は今もあまり変わらない。阿吽で反応と書いたが、反応を

麗蘭・磔磔Vol.29 ROCK&ROLL Hymn 2024.12.30.

今年は『ROCK&ROLL Hymn』のタイトルがついた麗蘭の磔磔年末公演。これまで通り、タイトル曲はライヴの冒頭に演奏された。今回に合わせて作られた新曲ではなく既発曲であり、何度も演奏されているけれど、その曲「R&R Hymn」をチャボは ” ロックンロールの賛美歌 ” と言っているし、” たった一枚のレコードでロックン・ロールですべてを知った ” と歌われているので、今年のクリスマスに発表されたばかりの新作、仲井戸麗市『Experience』に収録されていてもおかしくない

浜田真理子 還暦記念コンサート 極上の一日 島根県民会館 2024.10.05.

松江に足を運ぶのは実に5年ぶり。今年は浜田真理子の還暦プロジェクトである全県ツアーの締めくくりとしておこなわれるホームタウン公演。選択肢の中に " 行かない " は無かった。 コンサートのタイトルにある " 極上 " は、彼女が結成したバンド名でもある。メンバーは、浜田真理子(Vocal,Piano)、檜山学(Accordion)、Marino(Saxophone)、橋本 歩(Cello)。2部構成の1stステージは、ソロの弾き語りと、この極上メンバーがひとりずつ加わってい

Char『For another 100 years』日比谷野外大音楽堂 2024.09.28.

ミッキー吉野と仲井戸麗市がスペシャル・ゲストで参加する、CharのROCK(69歳)YEAR 日比谷野音公演に行った。野音でこのメンバーの音を聴くのを楽しみにしていたし、観る前はそれ以上でも、それ以下でもなかったのだけれど、結果的にいろいろなものが僕の中に降ってきたライヴになった。 野音独特の音で届けられるCharのストラトキャスターが心地よい。1曲目のイントロ部で聴けたフィードバックから興奮させられた。音も演奏も佇まいも、まさにロック・ギタリストの見本。野音で聴くストラト

佐野元春 & THE HOBO KING BAND『Smoke & Blue 2024』Billboard Live YOKOHAMA 1st 2024.09.23.

初日の1stステージを観た。元々、ツアーが組まれると、たとえそれが短いものであっても、演者とお客さんの双方で緊張感を持って対峙できる初日を体験したい派なので、2年ぶりのこの企画を、ニュートラルながらもそれなりに高いテンションで臨むことができた。 古田たかしの軽快なドラムのイントロから「IT'S ALRIGHT」でライヴは始まった。初期のナンバーを聴けるのがこのシリーズの楽しみのひとつであるが、それでも実際に演奏されると興奮する。さらに「Do What You Like(勝手

リクオ presents KANREKI HOBO CONNECTION JIROKICHI編 3days 第1夜 高円寺JIROKICHI 2024.09.05.

リクオの還暦を記念した一期一会のコラボ・ライヴ。高円寺JIROKICHIの第1夜を観た。この日の共演者は梅津和時と仲井戸麗市。 リクオのソロ弾き語りの「イマジン」でライヴは始まった。リクオがアレンジしたジョン・レノンとして楽しめる一方で、この後に出てくるふたりをこの場にいる観客は知っているわけだから、忌野清志郎の日本語詞で歌われるそれの効果は半端ではなかった。ここからの2時間半に着く色を静かに…それでいて力強く決めたオープニング・ナンバーだったと思う。 2曲目からリクオと

佐野元春 & ザ・コヨーテバンド『2024年初夏、Zepp Tourで逢いましょう』Zepp Nagoya 2024.06.23.

僕が観た愛知公演から既に1ヶ月ほどが経ち、8月の追加公演も残っているが、元春とコヨーテバンドのZepp Tourが無事に完走した。 DaisyMusic広報によれば、『今、何処』に伴うツアー後に「佐野元春クラシックスの再定義」のテーマでレコーディングを開始。より「今」に響く楽曲としてのリ・レコーディングという取り組みとのこと。そして今回のZeppツアーにあわせて、そこで生まれた「Youngbloods (New Recording 2024)」が先行配信リリースされた。

麗蘭Action Vol.12 [Homecoming] Billboard Live Tokyo 2024.06.09.

麗蘭がビルボード東京に初めて立ったのは2009年の暮れ。元々は年末の磔磔公演の前に開催されていたから、個人的には磔磔の予告編的な楽しみ方をしていたのだが、2017年からは年が明けた1月開催に変わったので、磔磔の追加公演的な位置づけに僕の中ではなっていた。だから、6月の開催はこれまでなかったので、唐突な感じもありつつ、新鮮な気持ちで会場に向かった。 ビルボード公演は限られた短い時間の中でおこなわれる2ステージだ。最初のうちは " 短いなぁ " と不完全燃焼な印象を持ったが、毎

浜田真理子 with Marino LIVE @Tonarimachicafe 隣町珈琲 2024.06.04.

隣町珈琲でのライヴは3回目。会場がカフェなので至近距離で体験できるのはもちろんなのだが、こうした環境での浜田真理子を、東京では味わえないこともあり、同じ場所を共有している感が半端ではない。隣町珈琲店主である平川克美さんが言う " 東京で真理子さんのライヴをこの距離で聴けるのはここだけ " は大袈裟ではない。だからなのか、メニューも演奏時間も特にいつもと変わらないのだけれど、満腹感は大きい。 Marinoとの演奏も安定のコンビネーション。特にMarinoのナマ音に近いSAX…

〜花をうたえば〜お寺でSinger Song Marimba Vol.Ⅷ 新谷祥子 LIVE 八王子龍見寺本堂 2024.06.02.

昨年は足を運べなかった龍見寺。2021年以来だから訪れるのは実に3年ぶりなので、これまで以上に楽しみにしていたライヴだった。 お寺でマリンバを弾き打ち " 花 " を歌う。お寺はもちろん木造建築。外の木々と花、そして6月の風と雨さえも演出の一部となるステージ。このことを思うだけでイメージが広がってゆく。龍見寺の環境を知っている人ならば、きっとこの気持ちをわかってくれるだろうと思う。 これまでもライヴで披露されたことがあるPYG「花・太陽・雨」とベット・ミドラー「The R

UGUISS 40th Anniversary Tour 渋谷クラブクアトロ 2024.05.30.

デビュー40周年を記念してリリースされた2枚組アナログ盤のレコ初という名義のライヴだが、UGUISSは1983年にメジャー・デビューし、翌1984年に解散したバンドだ。残されたレコードはアルバム1枚とシングル2枚。しかもヴォーカリスト山根栄子が2012年に亡くなったことで、活動期のバンドを体験しているのは当時の限られた人たちだけである。解散後はアルバムがCD化され、デビュー30周年には渡辺美里をヴォーカルにライヴを行なっているので、ここで追体験した人は多いだろう。しかし、この

南青山MANDALA 30周年記念 仲井戸"CHABO"麗市 SOLO Stage[Walking By Myself] 南青山MANDALA 2024.05.11.

南青山MANDALA30周年ということで、Special企画として聴きたい曲のリクエストを募る…と連絡があったのがライヴ当日の10日ほど前。この時点では、途中でリクエスト・コーナーを設けて数曲…なんて考えていたのだが、蓋を開けてみれば、全曲をリクエストで固めたライヴとなった。僕は2日目に足を運んだ。 事前に来場する日とリクエストを募り(しかもひとり複数曲も可!)、その全曲を来場日と共に振り分けて構成を考え、2日間まったく別々のセット・リストを組む。全曲を検討したというのがミ

40th Anniversary Final THE STREET SLIDERS『Thank You!』NHKホール 2024.04.21.

2023年から始まったストリート・スライダーズ40周年のライヴは、結果的に再集結1発目になった4月の豊洲PIT『SPECIAL PREVIEW GIG』に運良く参加できてから、5月の日本武道館『Hello!!』と9月はTOUR 2023『ROCK’N’ROLL』LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)と足を運んできた。そしてファイナル・ツアーとして発表された2024年の『Thank You!』。単なるツアーだけでなく、40周年のファイナルでもあるから、目に焼き付けるの