
映画「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」を観て
12月14日、「ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ」という映画を観た。2024年のアメリカ映画で、原題は「Joker: Folie à Deux」。トッド・フィリップス監督の作品だ。
キャストは、アーサー・フレック/ジョーカー役のホアキン・フェニックス、ハーレイ・“リー”・クインゼル役レディー・ガガ、メアリーアン・スチュワートのキャサリン・キーナー、サラユーメアリーアン・スチュワート役のブレンダン・グリーソンなどである。
オープニングでは、自分の暴力的な影の犯した行為が原因で警官から痛めつけられるジョーカーが、短編のアニメーション『俺と俺の影』で描かれる。
2年前の事件から後、アーサー・フレックはアーカム州立病院に収容中である。アーサーの弁護士は、ジョーカーはアーサーの別人格であるとし、彼の凶行は解離性同一性障害が原因のものだったと裁判で主張するつもりでいる。アーサーは病院の音楽療法の集まりでハーレイ・“リー”・クインゼルと出会う。アーサーの近所に住んでいたというリーは、病院に入れられたのは実家に火をつけたからだと言い、また彼の犯罪行為を称賛する。
病院内での映画上映の最中に火事を起こしたリーはアーサーを連れて逃げそうとするが捕まり、彼は独房に入れられてしまう。リーは独房に忍び込み、彼女がアーサーに"感化"されないように家に戻されてしまうと告げ、その後二人は性交をする。テレビのインタビューを受けたアーサーは、既に退院したリーに向けて、カメラ越しに歌いかける。
裁判が始まり、地方検事補のハービー・デントはアーサーの心神喪失の主張を退ける。休憩中、アーサーは弁護士からリーが彼に語った生い立ちは嘘で、収容も自主的なものだったと明かされる。リーはそのことをアーサーに近づくためについた嘘だと認め、さらには自分が妊娠したこと、二人で暮らすために彼の昔のアパートメントに引っ越したことを告げる。
裁判の2日目にアーサーは弁護士を解雇し、本人訴訟を始める。アーサーは法廷で病院の看守達のことを罵るが、病院に戻された後、そのことで看守達から暴行を受ける。交流のあった収容者が抗議の声を上げるが、彼は看守に殺されてしまう。翌日、打ちひしがれたアーサーは最終弁論で「ジョーカーはいない」と責任を認めるが、リーはそのことに憤り法廷を出ていってしまう。陪審長がアーサーに有罪を宣告している最中、裁判所の外で爆発した自動車爆弾が法廷の壁を吹き飛ばす。多くの死傷者が出る大混乱に乗じて逃げ出したアーサーは、道化師の格好をした支持者に助けられるも、彼らが自分をジョーカーとしか見ていないことに気づき、一人で走り去る。
街を彷徨った末に、アーサーは以前の家の近くでリーに出会うが、ジョーカーを捨てた彼を彼女は拒絶して去ってしまう。アーサーは再度逮捕され、病院に戻される。ある日、面会があると呼ばれたアーサーは、道中の通路で近づいてきた若い収容者に腹部を何度も刺される。大量の血を流しながら倒れ込んだアーサーは、リーとのステージを夢想しながら事切れてゆく。
そして、アーサーを刺したその収容者は、笑いながら自身の口を切り裂きだすのだった。
といった内容。
で、観終わっての感想。
リーが愛したのは、アーサーでなくジョーカーだった
病院の音楽療法の集まりで、リーと出会うアーサー。そして二人は恋に落ちてゆく。人生の中で唯一の理解者と感じるアーサーは、リーという存在が自分の中のすべてになっているように感じた。
しかし、リーが愛したのはアーサーではなかった。ジョーカーを愛したのではないだろうか。そして、アーサーはリーに捨てられるのである。
アーサーの人生って・・・可哀そうすぎる
アーサーの人生っていったい・・・。あまりにもかわいそうすぎる。前作の「ジョーカー」でも感じたことだが、一筋の光が見えても最後にはそれを消されてしまうのである。
そして、ラストシーンがさらに悲しい。収容所の中で刺されてしまう。ここまで悲劇的な主人公の映画を、あまり観たことが無い。
途中でミュージカル的要素も・・・
映画の中の脱走シーンなどで、ミュージカル的な要素が絡んだシーンが出てくる。そんな要素、前作にあったっけ?記憶が定かではないが、無かった気がするのだが。そのあたりで、あれっ?ちょっと驚いてしまった。嫌いではないが、一部だけにその要素?鑑賞側は、ちょっと戸惑ってしまうのだ。
アニメシーンから始まる驚き
それを言ったら、冒頭からのアニメシーンも同じである。
ある意味、一作目のおさらいシーンであろう。
一作目の鑑賞から時間がたっていたので、思い出しやすかった。
でも、アニメシーンから導入とは、斬新だった。
そんなわけで、ジョーカーの2作目。
リー役のレディー・ガガが、あまりにも役にはまりすぎていたのには驚く。それにしてもアーサーの人生が、悲しすぎる。
この映画の感想は、そこに尽きるのである。