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映画「コンパートメントNo.6」を観て

1月1日、「コンパートメントNo.6」という映画を観た。2001年のフィンランド・ロシア・エストニア・ドイツ合作映画で、原題は「Hytti Nro 6」。ユホ・クオスマネン監督の作品だ。

キャストは、ラウラ役のセイディ・ハーラ、リョーハユーリー・ボリソフ、などである。

1990年代のモスクワ。フィンランドからの留学生ラウラは恋人と一緒に世界最北端駅ムルマンスクのペトログリフ(岩面彫刻)を見に行く予定だったが、恋人に突然断られ1人で出発することに。寝台列車の6号客室に乗り合わせたのはロシア人の炭鉱労働者リョーハで、ラウラは彼の粗野な言動や失礼な態度にうんざりする。しかし長い旅を続ける中で、2人は互いの不器用な優しさや魅力に気づき始める。

といった内容。

で、観終わっての感想。

恋人は冬にペトログリフを見れないことを知っていた

主人公のラウラには、同性の恋人がいる。
2人は一緒に列車に乗りムルマンスクまで、ペドログリフを見に行くはずだった。しかし、恋人の急用で一人でそこに向かうことになるのだ。
行き先は大雪で船は出せず、当然のことながらペドログリフは観ることができない。
つまり、恋人はこのことを事前に知っており、別れを言葉にせず別れを告げたことになる。最悪な状況に落ち込むラウラ。それは、恋人に未練を持たせないための策だったのかもしれない。

第一印象が最悪だったロシア人のリョーハ

列車の同室に一緒になった、ロシア人のリョーハ。彼の第一印象は最悪で、ラウラは他の客室に替えてほしいと車掌に頼むものの、受け入れられない状態となった。仕方なしに、彼とともに過ごすうちにわずかではあるが、ラウラの心境も変わってくる。

恩を仇で返す、一見気の良い感じのフィンランド人

途中で、列車に乗ることを拒否されていた同郷のフィンランド人を助け同室に招き入れる。リョーハはそれを良くは思わない。
リョーハと違い、気さくな同郷人であったが、途中の駅で降りたあと、ラウラのカメラが無くなったことに気づく。
カメラを恐らく同郷人が盗んだのである。まさに、恩をあだで返されたラウラであった。

結局、ペドログリフは見れなかったけれど・・・

炭鉱で働くリョーハは、ラウラのペドログリフの観る願いをかなえるために、船を出すよう交渉し、結局船で現地には行けるのだが、そこは雪に覆われ観賞できる状況ではなかったのである。
ペドログリフは見えなかったが、ラウラ箱の優しさに感謝する。
そして、恋人のことや、盗まれたカメラのことなど未練を断ち切ることができるのである。
そして、リョーハとは恋人にはなれなかったものの、自分の心を救ってくれた彼を感謝したに違いない。

不器用で見かけとは違うリョーハの人としての優しさに、ハートが温かくなる作品だった。

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