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映画「幸せの列車に乗せられた少年」を観て

12月15日、「幸せの列車に乗せられた少年」という映画を観た。2024年のイタリア映画で、原題は「Il Treno dei Bambini」。クリスチナ・コメンチーニ監督の作品だ。

キャストは、バルバラ・ロンキ、セレーナ・ロッシ、クリスチャン・セルヴォーンなどである。

1946年、第2次世界大戦後のイタリアでは、貧困家庭の子供たちを北部行きの「幸せの列車」に乗せ、裕福な家庭で生活させる社会活動が行われていた。ナポリで母・アントニエッタと暮らす7歳のアメリゴは、わが子に貧しさとは無縁の生活を送ってほしいという母の願いによって、北部の町に送り出される。受け入れ先の家庭に温かく迎えられた彼は、見知らぬ土地でひと冬を過ごすことになり、彼らのもとでさまざまな経験をするが、母に捨てられたのではないかという不安に駆られ、故郷の母への思いと新しい家族との間で揺れ動く。

出典:シネマトゥデイ

といった内容。

で、観終わっての感想。

こんな歴史があったことを、映画で知る

第2次世界大戦後、イタリア国内ではこんなことがあったということを、映画で始めて知った。このような史実は、興味が無ければきっと知らないままということがほとんどであろう、映画という媒体を通して知ることができるのは、ある意味ラッキーかもしれない。映画を観ることにはこのようなメリットがあったりする。
イタリア南部の貧困地区の子どもたちが、一時期北部の家庭に預けられる。
この出来事が、たくさんの子どもたちの運命を変えたことだろう。主人公のアメリゴも、その一人である。

彼がバイオリニストになったのは、子ども時代の出会いだった

アメリゴを一時引き取った家庭に、バイオリンづくりの男性がいた。けれの存在が無ければ、将来バイオリンの世界に踏み込むことは無かったことだろう。それくらい、人との出会いは大切なのだ。そして、南部にいたら決して彼のバイオリニストとしての才能は見つけられることは無かった。
人生とはそんなものなのかもしれない。

バイオリンを質に入れた実母

南部にかえり、母親はプレゼントされたバイオリンを質に入れる。
そこには子どもの意思などない。生活してゆくことだけ、食べてゆくことだけに必死な家庭だったのである。なので、母の行動はその場にいれば至極当然だったことが想像できる。母親を責められないと感じるのだ。
言ってみればこの母親も、戦争の犠牲者の一人なのである。その点は、映画を観ながら時代背景の厳しさを感じた。

子どもの才能を引き出すのは大人しかない

映画を観て、感じたこと。
子どもの才能を引き出すのは、周りの大人しかいない。
それも、貧困の中ではその才能を見出すのも難しい。
もし、小さな子どものいる家庭であれば、その経済的な範囲内でしか難しいと思うが、様々なこと経験させることは重要だと感じた。
その中で、本人が好きであり、かつ才能がありそうなものを伸ばしてあげること。これが大人にでできる子どもへのプレゼントであろう。
そしてそれは、本人ならずとも、さらに周りの人々を幸せにする才能となるのである。

映画を鑑賞して、
子どもは未来の宝ということを、あらためて感じたのである。

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