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映画「イングリッシュ・ペイシェント」を観て
1月1日、「イングリッシュ・ペイシェント」という映画を観た。1996年のアメリカ映画で、原題は「The English Patient」。アンソニー・ミンゲラ監督の作品だ。
キャストは、ラズロ・アルマシー役のレイフ・ファインズ、キャサリン・クリフトン役クリスティン・スコット・トーマス、ハナ役のジュリエット・ビノシュなどである。
第二次大戦末期のイタリアでのこと、カナダ陸軍の従軍看護婦ハナは空襲で破壊された修道院に住み着き、ある患者の世話をしている。その患者は重い火傷を負い、英語を話すが自分の名前は思い出せない。地雷処理を担当しているシク教徒で英国陸軍の工兵中尉キップは、ハナと仲睦まじくなる。カナダ軍諜報部隊のデヴィッド・カラヴァッジョは、ドイツ軍の尋問で両親指を切り落とされた過去を持ち、自分を特定する写真を撮影したラズロ・アルマシーを追っていた。4人は修道院で一緒になる。カラヴァッジョは患者に問いかけ、患者は徐々に記憶を取り戻す。
患者によると、1930年代後半、彼はリビアの砂漠を探検していた。ハンガリー人のアルマシー伯爵と判明する彼は、英国人ピーター・マドックスらとエジプト・リビアでの考古学調査の一環で、サハラ砂漠の地図を作成していた。調査には英国人のキャサリン・クリフトンとその夫ジェフリーも加わった。キャサリンとアルマシーは不倫関係に陥るが、キャサリンが一方的に断絶する。調査隊は、泳ぐ人の壁画が描かれた洞窟を発見、報告するが、戦端が開かれるに至り中止となる。マドックスは帰国に際し、自分の飛行機をクフラ・オアシスに置いていく。
アルマシーが引揚げの準備をしていると、ジェフリーが操縦する飛行機が彼めがけて突っ込んでくる。アルマシーは寸でのところで難を逃れるが、その事故はジェフリーが自殺覚悟でアルマシーの命を狙ったもので、ジェフリーは即死し、キャサリンは重傷を負う。アルマシーは彼女を洞窟まで運び、そこに食料を置いて、助けを求めに3日間かけて英国占領下の町にたどり着く。彼は状況を説明するが、ドイツ軍スパイの嫌疑を掛けられ列車に乗せられる。列車から脱出し、ドイツ軍のガソリンを探検地図と引き換えに譲り受け、マドックスの残した飛行機でキャサリンの元に戻る。しかし彼女はすでに死んでおり、彼女の遺体を載せて引き返すのだが、ドイツ軍の対空砲で撃ち落とされる。キャサリンの遺体は回収されず、アルマシーはひどい火傷を負うものの、ベドウィンに救われる。
アルマシーは話し終えると、ハナにモルヒネによる安楽死を要望する。ハナはその希望を叶え、キャサリンが洞窟で記した最後の日記を読み聞かせながら、アルマシーの死を看取る。ハナとカラヴァッジョはフィレンツェに向けて修道院を後にする。
といった内容。
で、観終わっての感想。
要は、アルマシーとキャサリンの不倫の物語
アカデミー賞受賞作品である。
しかし、観終わったあと、ボクの中には感動も何も起こらなかった。
要は、不倫の物語である。
1996年の映画で、当時の背景なのか不倫をきれいに描こうとしている感が見える。
今の時代に観ると少々滑稽に見える。
一人の命のために、ドイツ軍に情報を売る
不倫の先に起こった、キャサリンのケガ。そのキャサリンの命を助けるために、アルマシーはドイツ軍に仲間の情報を売るのである。
違う目線で見れば、とんでもない奴である。そのために命を奪われそうになった人間から殺されそうになるのは当たり前だと感じるのだ。
一番ハラハラしたのは、爆弾処理の場面
この映画の中で、ハラハラしたのは、インド系の軍人が爆弾処理をするシーン。処理中に浮かれた軍人たちが、洗車に乗って通過しようとする。
その振動で爆発するかもしれない。一か八か配線を切る処理軍人。手に汗握るシーンだが、成功に終わる。ホッとした。
大作ではあるが、そこに感動は無かった
確かに、映像美も感じ、飽きさせない作品であった。
しかし、大作だからこそ、内容はボク自身の中では評価できない。
最後に安楽死を選ぶのだが、そこには何の感情も沸かなかった。
やはり映画は、鑑賞する時期、自分の人生感によって感じ方が変わってくるものかもしれない。