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映画「ラーゲリより愛を込めて」を観て

1月2日「ラーゲリより愛をこめて」という映画を観た。2022年の日本映画で、瀬々 敬久監督の作品。

キャストは、山本 幡男役の二宮 和也山本モジミ役の北川 景子松田研三役の松坂 桃李相沢光男役の桐谷 健太などである。

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あらすじは、

昭和20年(1945年)、ロシア語が堪能で満鉄調査部に勤める山本幡男は、妻と4人の幼い子供たちと共にハルビンで暮らしていた。第二次世界大戦が激化する中、現地招集で兵士となった幡男は、終戦によりソ連軍の捕虜とされた。妻子はなんとか日本に戻れたが、ハバロフスクの収容所(ラーゲリ)に送られる幡男。日本軍捕虜たちは、程なくして帰国のためにシベリア鉄道に乗せられたが、途中で下車させられた幡男ら一部の兵士たちは、そのまま別の収容所に送られてしまった。
冬期には零下40度にもなる過酷なシベリアで強制労働をさせられる幡男たち。生きる気力を失い、荒んで行く仲間たちを、「諦めるな!」と励まし続ける幡男。だが、幡男は次第に体調を崩して行った。幡男をもっと設備の整った病院に移すために、ストライキで労働を拒否する日本人捕虜たち。
2週間で病院から戻される幡男。咽頭癌の末期で手の施しようがなく、余命は3ヶ月との診断だった。そんな幡男に遺書を書くことを勧める捕虜の団長。幡男は、1954年に45才で亡くなり、遺書を書いたノートは没収された。
1956年、ようやく帰国が叶う日本軍捕虜たち。翌年から、一人また一人と幡男の家族の家を訪ね、記憶して来た幡男の遺書の内容を伝える収容所の仲間たち。収容所では日本語の書類は没収されるので、仲間たちは幡男の遺書を分担して暗記していたのだ。
時は流れ2022年、孫娘の結婚式に参列した幡男の長男・顕一は、遠い昔に両親や兄弟たち全員で最後に揃って出席したハルビンでの楽しい結婚式を思い出し、どんな時にも人間らしく生きた父・幡男に思いを馳せて、幡男の言葉「今日という日を、よーく覚えておくんだよ」を新婦へ贈った。

出典:Wikipedia

と、いった内容。

で、観終わっての感想。

シベリア強制労働の歴史を知ることができる作品

ボクたちは、なかなか学ぶことをしない。
例えば歴史。教科書を読んでもさっぱりと頭に入ってこないし、多大なる歴史を学ぶのは歴史をよっぽど好きな人か、それを調べたり教えたりする職業の人でない限り、現代社会ではなかなか詳しく知る機会などない。
さらに、高校生までの歴史の授業でも、近代日本に関しての歴史はほとんど学べないのが事実である。
シベリアの強制労働に関しては、もちろん聞いたことはある。しかし、どこまで知っているかと言えば、ほとんど知らない。そう考えたときに、このような映画にて歴史上あったことを比較的詳しく知ることができる。
映画は、そのような学びを得る作品も存在するのである。
まさにこの作品は、それにあたると思う。

戦争は終わっているのに帰れないという史実

戦後11年もシベリアから帰れなかった日本人がいたことには正直驚かされたと同時に、そのような史実を知らなかったことを恥ずかしく思った。
11年である。このようなあり得ないことが、実際に戦後に起きていたのだ。この驚愕の事実に驚かないはずがない。
そこには人権はない。そして、戦後も強制労働をさせられていたことを当時の日本政府はどう動き、日本人はどう思ってのであろう。
映画は、強制労働のシーンはとても軽く描かれているが、実際にはこんなものではないことは想像できる。本当に恐ろしいことである。

遺書の内容を記憶で伝える仲間たちに震えた

この映画の中で何よりも感動シーンが、山本幡男氏がラーゲリで亡くなった時の遺書を、4人の仲間がそれぞれの箇所を記憶し、日本に帰国後彼の妻や子供たちに記憶した内容を伝えるシーンである。
これはさすがに、ぐっと来た。
何にグッと来たのかと言えば、山本氏の手紙の内容はもとより、4人の仲間が記憶をし、それを言葉で伝えたところだろう。
さすがに涙腺は崩壊した。

まだ生まれていない時代の話ではあるが、よく考えれば立った半世紀前のことである。この史実は風化させてはいけない。
そして、このような悲しいことを起こしてはいけない。
戦争が無ければ、戦後もないのである。
この国のリーダーたちは、今の日本を守る気持ちがあるのだろうか。
決して悲劇を繰り返してはいけないのである。

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