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映画「マイ・ウエイ」を観て

2月22日、「マイ・ウエイ」という映画を観た。1975年のイギリス映画で、原題は「My Way」。エミール・ノファル監督の作品だ。

キャストは、ウィル役のジョー・スチュワードソンポール役のリチャード・ローリング、バリー役のジョン・ヒギンス、トニー役のケン・リーチなどである。

ウィル・マドックスは、苦難の末自らをたたきあげて現在の成功を築き上げた男だ。三十年前、オリンピックのマラソン・ランナーとして金メダルを獲得し、事業面でもマドックス建設の社長として、文字どおりマドックス帝国に君臨していた。彼には妻フランの間に四人の子供がおり、三人の息子たちはマドックス建設の後継者として父親の仕事を手伝うと同時、有能なスポーツマンでもあった。長男のトニーはレース・ドライバー、次男のポールは短距離ランナー、三男のバリーはマラソン・ランナーであり、末娘のサンドラは水泳選手、彼らの母もかつてオリンピックの馬術の選手というスポーツ一家だった。マドックスのスモットーは、絶対負けてはならないということだった。なぜなら、“マドックス”という名は負けを知らぬ勝利者の名でなければならなかったからだ。だが、近頃では子供たちは父の大きすぎる期待に耐えられなくなっていた。このままでは自分の自由はなく、単なる父のあやつり人形にすぎないからだ。ある日、トニーが美しい娘ジリアンを婚約者として連れてきた。だが彼女が酒場の歌手で離婚歴があり娘も一人いることを知ると、ウィルは激怒して反対した。そのために、トニーはジリアンの後を追ってマドックス家を出た。次男のポールもマドックス建設に縛られていることが耐えられず家を出た。その頃トニーはレース途中で大事故をおこし、下半身不随の体になってしまった。上の息子二人を失ったウィルは、三男のバリーと末娘のサンドラに全ての期待をかけた。そのサンドラが水泳の選手権に出場したが、優勝できなかった。涙にくれる彼女を慰めながら、フランはウィルにいった。“もし娘をとがめたら、私も娘と出ていきます”。ウィルに残されたのはバリーだけだったが、そのバリーも建築現場のエレベーターの事故で死んでしまった。全ての夢が破れ、家族を失ったウィルは人生の何たるかをやっと理解した。愛と幸せは金では買えないものだ、と。マドックス・マラソンの日がやってきた。しかし、マドックス家から出場する者はなかった。ウィルは自ら出場することにした。相棒のネィティの制止も聞き入れなかった。そのとき、スタート・ラインに立つウィルの眼にポールの姿が飛び込んできた。長いレースの途中、体力の限界を悟ったウィルは、ついにポールのリード・ランナーをつとめ始めた。ウィルは、ポールをはげましながら走った。そして、これこそ息子に対する父親のつとめだと思った。ついにポールは優勝した。ゴール寸前で転倒しながらも、ウィルも完走した。観衆の中に妻と娘がいた。やっと歩けるようになったトニーもいた。

出典:映画.com

といった内容。

で、観終わっての感想。

子どもの頃号泣した50年前の作品

子どもの頃この作品を観た記憶がある。
内容は、はっきりと覚えていない。ただ、子どものボクは号泣した。
何に号泣したのかは分からない。それだけに、今のボクはどのように感じるのか、ある意味興味があった。そんなわけで、ネット配信されていないこの作品を観るに至ったのである。

勝利にこだわり続けた父親

自らもマラソン選手として成功。そしてその後も起業し、成功を続けてきた父親。失敗を知らない彼は、勝利こそが成功であると疑わない。そして、家族全員が成功者になるよう勝つことにこだわり続ける。そのこだわりは、子どもたちの反感を買うようになる。勝たなければ認められないことは、皆に大きな重圧となって襲い掛かるのだ。次第に、家族全員から距離を置かれ、離れてゆくのだった。

度重なる家族の悲劇

レーサーの長男トミーは、事故で下半身が動かなくなる。三男のバリーは、建設現場のエレベーターが落下して死亡する。次男のポールも家を出てしまう。そんな中、父親は自らの名前が付けられたマドックスマラソンに49歳で挑戦するが、そのスタートラインには次男のポールも並んでいた。
マラソンの途中で、ポールの先導者をして父親は力尽きるが、ポールはその大会に優勝する。そして、最下位集団の中に父親が走ってくるのだ。

最後のシーンで家族の愛と友情を

最後のトラック内で、父親が走る姿は、人生で一体何が大切なのかを感じさせてくれたシーンであると感じた。
あれだけ傲慢であった父親を、家族はゆるしていたと思う。家族の表情からそれが伝わってくる。
そう、勝利することより、もっと大事なものがそこにはあったと思う。

マイウェイの音楽が心を揺さぶる

何よりこのテーマ曲の「マイ・ウェイ」が涙を誘う。自分自身も様々な人生経験をしてきたからか、子どもの頃観たときのような号泣は無かったが、古い映画ながら心を震わせるものはあった。

もう、二度と観れないかと思った作品。
子どもの頃鑑賞したときのように号泣はしなかったが、TSUTAYAのDVDで観ることができたのはラッキーであった。


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