映画「イントゥ・ザ・ワイルド」を観て
12月29日、「イントゥ・ザ・ワイルド」という映画を観た。2007年のアメリカ映画で、原題は「Into the Wild」。ショーン・ペン監督の作品だ。
キャストは、クリストファー・マッキャンドレス役のエミール・ハーシュ、ビリー・マッキャンドレス役マーシャ・ゲイ・ハーデン、ウォルト・マッキャンドレスのウィリアム・ハート、カリーン・マッキャンドレス役のジェナ・マローンなどである。
といった内容。
で、観終わっての感想。
家庭環境が、子どもにとって如何に重要かわかる話
主人公は、幼少期から家庭の中がうまく行っておらず、両親は仮面をかぶって仲の良い姿を演じていたことに苦しんでいた。
その幼少期のことが、大人になってもトラウマとして残り、大学卒業後にそれは行動として現れてしまった。その気持ちを知るのは、実際には妹のみである。なぜならば、妹も行動はしないまでも、苦しむ一人であったから。
だから、兄がどのくらい精神的に追い込まれていたのかも理解できるのであり、いつかこのような形で、突然目の前からいなくなることも予想していたと思う。
本当に、家庭環境は子どもたちの人間形成にも、大きく係る。
そういう意味でも、両親は後悔しても、もう戻れない状況に気づくのである。
人との出会いが人生を変える
主人公は、車を捨て、名前を変えて旅に出る。
そこでの出会いは、彼にとって、かけがえのない出会いだったことがわかる。彼は両親からは学ばないが、多くの出会いの中から学び、本当の大人へと成長してゆくのである。
結果的に、それが彼の人生を変えてゆくこととなる。
メキシコに行き、レストランの中に架空の向こう側に、自分を見つける。
そして、再びアラスカに向けて旅立つのである。
そして高齢のロンと出会う。養子の話に、アラスカから帰って来たらと返事をする。ロンはその時には、自分の命、そしてクリスの命もあるかが分からないことを悟り涙したのかもしれない。
もしバスが無かったら・・・この話は変わっていただろう
アラスカにつき、人里離れて歩いていた時に出会ったのが、かつて誰かがいたと思われるバスだった。
バスは、自然の中で過ごすには最適の空間であった。
一見ラッキーのように思えるが、ボクはそうは思わなかった。
このバスに出会わなければ、彼は早々にこの地から去ったと思うのだ。
そうなれば、運命は大きく変わってくる。
結局、彼の運命は、来るべき日へと向かってゆくこととなる。
幸福が現実となるのは、それを誰かと分かち合った時だ
この映画の中で、一番心に残り、そしてその通りだと思った言葉がある。
それは、主人公が死の直前に、つづった言葉である。
「幸福が現実となるのはそれを誰かと分かち合った時だ」
まさにそれはその通りであると思った。
結局、家族とのかかわりを断ち、自然の中で身を置くも、一人で幸せを作り出すことはできなかったという、象徴的な言葉である。
人は一人では生きてゆけない。
人間とは、そういう生き物であり、それにはきっと意味がある。
ボクはこの映画を観て、そう感じたのである。