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映画「イントゥ・ザ・ワイルド」を観て

12月29日、「イントゥ・ザ・ワイルド」という映画を観た。2007年のアメリカ映画で、原題は「Into the Wild」。ショーン・ペン監督の作品だ。

キャストは、クリストファー・マッキャンドレス役のエミール・ハーシュ、ビリー・マッキャンドレスマーシャ・ゲイ・ハーデンウォルト・マッキャンドレスウィリアム・ハート、カリーン・マッキャンドレス役のジェナ・マローンなどである。

クリスのアラスカでの生活と、アラスカに至るまでの道中、妹のナレーションが交互に挟まれる構成である。
裕福な家庭に生まれ、物質的に恵まれた環境で育ったクリス・マッキャンドレスは、エモリー大学を優秀な成績で卒業する。両親はハーバードのロースクールに進学することを望んでいたが、幼い頃から不和を見せつけられ、金で物ばかりを与えようとする両親に嫌気が差していたクリスは、学資預金を全額寄付し、世界の真理を求めアラスカへと旅に出る。
身分証を切捨てたクリスは自らをアレグザンダー・スーパートランプと名乗り、様々な人と出会いながら旅をする。ヒッチハイクでヒッピーの夫婦と出会い、穀物倉庫で働き、川を許可書なしにボートで下ってメキシコに行く。再びアメリカに戻り、ヒッピー夫婦と再会、歌を歌う少女とも交流する。その後、クリスが荒野でキャンプしていると、ロン・フランツという老人と出会う。ロンは身寄りがなく、革を彫る仕事をして一人で暮らしている。クリスはロンの仕事を手伝い、共に時間を過ごす。アラスカに行くというクリスに、ロンは自分の養子にならないかと言う。クリスはアラスカから帰ってきたら話をすると言う。
アラスカに分け入ったクリスは、うち捨てられたバスを発見し、そこを拠点とする。日記を記し、ジャック・ロンドンやトルストイ、『ドクトル・ジバゴ』を読みながら生活を送るが、徐々に食料は減っていき、ヘラジカを撃つも、食べる前に虫が湧いてしまう。ついに限界が来て、クリスはアラスカを出て街に戻ろうとするが、解けた氷で川が増水しており、帰ることができず閉じ込められてしまう。アラスカにやってきて100日以上が過ぎ、食料を探して野草を食べるが、毒性があり苦しむ。衰弱しきったクリスは「幸福が現実となるのはそれを誰かと分かち合った時だ」と本に書き込み、涙を流しながらバスの中で息絶える。

出典:Wikipedia

といった内容。

で、観終わっての感想。

家庭環境が、子どもにとって如何に重要かわかる話

主人公は、幼少期から家庭の中がうまく行っておらず、両親は仮面をかぶって仲の良い姿を演じていたことに苦しんでいた。
その幼少期のことが、大人になってもトラウマとして残り、大学卒業後にそれは行動として現れてしまった。その気持ちを知るのは、実際には妹のみである。なぜならば、妹も行動はしないまでも、苦しむ一人であったから。
だから、兄がどのくらい精神的に追い込まれていたのかも理解できるのであり、いつかこのような形で、突然目の前からいなくなることも予想していたと思う。
本当に、家庭環境は子どもたちの人間形成にも、大きく係る。
そういう意味でも、両親は後悔しても、もう戻れない状況に気づくのである。

人との出会いが人生を変える

主人公は、車を捨て、名前を変えて旅に出る。
そこでの出会いは、彼にとって、かけがえのない出会いだったことがわかる。彼は両親からは学ばないが、多くの出会いの中から学び、本当の大人へと成長してゆくのである。
結果的に、それが彼の人生を変えてゆくこととなる。
メキシコに行き、レストランの中に架空の向こう側に、自分を見つける。
そして、再びアラスカに向けて旅立つのである。
そして高齢のロンと出会う。養子の話に、アラスカから帰って来たらと返事をする。ロンはその時には、自分の命、そしてクリスの命もあるかが分からないことを悟り涙したのかもしれない。

もしバスが無かったら・・・この話は変わっていただろう

アラスカにつき、人里離れて歩いていた時に出会ったのが、かつて誰かがいたと思われるバスだった。
バスは、自然の中で過ごすには最適の空間であった。
一見ラッキーのように思えるが、ボクはそうは思わなかった。
このバスに出会わなければ、彼は早々にこの地から去ったと思うのだ。
そうなれば、運命は大きく変わってくる。
結局、彼の運命は、来るべき日へと向かってゆくこととなる。

幸福が現実となるのは、それを誰かと分かち合った時だ

この映画の中で、一番心に残り、そしてその通りだと思った言葉がある。
それは、主人公が死の直前に、つづった言葉である。
「幸福が現実となるのはそれを誰かと分かち合った時だ」
まさにそれはその通りであると思った。
結局、家族とのかかわりを断ち、自然の中で身を置くも、一人で幸せを作り出すことはできなかったという、象徴的な言葉である。

人は一人では生きてゆけない。
人間とは、そういう生き物であり、それにはきっと意味がある。
ボクはこの映画を観て、そう感じたのである。


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