学校へお茶を持っていく難関ミッション

支援学校に通っていた頃、毎日、お茶を持って行くことになっていた。
…と書くと、ごく当たり前のことのように思えるかもしれないけど
うちではちょっと難易度高めのミッションだった。
息子のこだわり行動の一つに「容器を空にしたがる」というのがあり、
学校に持っていくために用意したお茶は一瞬で飲み干されてしまう。
当時、学校へは徒歩で私が送って行っていたため、私がお茶を隠し持っておいて、学校到着後こっそり先生に渡してみたりもしたが、成功したのは最初だけだった。
一応、イラストなどを使って視覚支援的に「学校で飲みます」を伝える努力もしてみたけれど、息子としては納得できなかったらしい。
そこで、水筒を2本用意して、「空にしたい」欲求を満たすための1本はカバンを開けたらすぐわかる場所に、もう1本は深めの内ポケットに見えないように入れてみた。
これなら、1本は犠牲になるけれど、予備の隠し水筒が学校にたどり着けるはず!
これも、最初の数日はうまくいったけれど、母の余裕そうな様子を不審に思ったのか、1週間もしないうちにばれてしまい、2本とも飲み干されてしまうようになった。
さらには、水筒2本はかなりの水分量なので、そのうち、飲み干すこともやめ、中身を道に棄てるようになった。

そんなわけで、学校にお茶を持参できたのは数えるほどしかない。
毎日、空の水筒を持ってくる息子に先生方は呆れていたかもしれないけれど、それでも給食のお茶をもらったりして何とかなっていたらしい。
お茶を持って行かせることにいちばんこだわっていたのは、私だったのかな?

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