【社会保険制度見直し】第一回社会保険の適用拡大
この4月から段階的に社会保険制度の見直しが始まりました。大きく分けると以下の4点が大きなポイントです。
1.社会保険の適用拡大
2.在職定時改定制度の導入
3.年金受給開始時期の選択肢拡大
4.確定拠出年金の加入要件緩和
今回はこの中でも「社会保険の適用拡大」を簡単に説明したいと思います。平成28年10月から短時間労働者(つまりパートやアルバイト)は厚生年金や健康保険に入れるのですが、2022年10月からその適用が拡大されることになりました。今のうちから少しずつ理解しておいて、恩恵を受ける準備をしておきましょう。
1.主な変更点
下記に年金機構のホームページにある早見表を記載しますが、変わるのは「事業所の規模」と「勤務期間」です。小さな事業所や2か月という短期間でも入れるということになります。アルバイトなどは中々1年以上というのは難しかったと思いますがそれが数か月でも働けば年金や健康保険に入れることになります。
2.厚生年金や健康保険は何が良いのか
厚生年金や健康保険に入れるという事がなぜ良い事なのかということは何となく「年金が増える」「病気した時の病院代が安くなる」ということは分かると思いますが、具体的なメリットを再度おさらいしておきましょう。
①厚生年金
厚生年金は企業側も半分負担してくれます。試算では企業側の負担はおよそ1500億以上増えると言われていますので、労働者側はその恩恵をうけることができます。その上厚生年金は国民年金のように払った年月ではなく「報酬に比例した年金」が「一生涯もらえる」のが大きなポイントです。当然報酬が少なければ大きな金額にはなりませんが、それでも補助があって老後資金が貯められると思えば大きいですよね。
さらに厚生年金には「障害厚生年金」や「遺族厚生年金」があります。従って自分が障害になったときや亡くなったときに家族にお金を遺せることも大きいのです。このあたりの事を知らずに高額な民間保険に入っている人もいますが、この年金で不足する分だけを民間保険で入ればよいのです。
②健康保険
厚生年金と同様ですが、健康保険にも企業側が半分負担してくれて保険に入れます。まずこの点が何より大きいです。健康保険というと病院の支払いの時に使うイメージが強いかと思いますがそれ以外にもいろいろあります。
まず有名なのは「高額医療費の限度額」で月額の医療費の自己負担額が一定額を超えた場合は超過額を返金受けることができます。これを知らずに高額な医療保険に入っている人もいますがまずはこの内容を見てから決めるのが基本です。
また、「出産育児一時金」として42万円の支給や「出産手当金」「傷病手当金」など出産や病気で休んだ時に一定期間給料の三分の二を支給してくれる制度もあります。さらに死亡した時も埋葬料5万の支給もあるので何かあったときに何が貰えるのか、きちんと調べておくことであなたの資産形成は大きく変わるはずです。
3.まとめ
今回はまず「社会保険の適用拡大」について簡単に説明を記載しました。企業規模の大きな正社員に手厚かった社会保険を短時間労働者などへ拡大することで働く人に報いる制度になってます。国の思惑としては多くの労働者に長く働いてもらって国力を維持するという考えもあるかもしれませんが、制度としてお得なのは間違いありません。
日本は民間保険に多く入りすぎな傾向がありますが、社会保険の内容をきちんと理解しておけば民間保険は最低限で良いことがわかります。当たり前ですが民間保険は貴方の払う保険料から職員の給与や企業利益を得ているのですから国の保険の方がお得なのは当然ですよね。
今まで社会保険適用対象外だった人はぜひ今回の情報から自分の状況を確認して国の支援を得ていきましょう。
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