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【投資初心者向け】米国の中央銀行(FRB)の動きにより何が影響受けるのか

1.概要

米国の中央銀行(FRB)が米連邦公開市場委員会(FOMC)などの会議を開催するとその発言により株価や商品(金など)の価格が影響を受けます。テーパリングとか難しい言葉ではなく、一般的な銀行や株式の世界で通じることばで説明したいと思います。投資している人はもちろん、投資してない人も自分の会社も影響を受けますのでぜひご一読ください。

2.具体的には何をしているのか

投資用語ではないので正確な言葉ではないかもしれませんが、簡単な言葉で説明するとこういう感じということで説明してみます。

(1)雇用の最大化のためにお金を供給する
FRBの活動の一つに「雇用の最大化」があります。雇用するには企業や個人経営者にもお金がないといけませんのでそのお金を供給していく必要があります。
そのため、2021/8時点では月額1200億ドル(約13兆2000億円)の債券を中央銀行が購入することにより、市場へお金を供給しています。雇用が増えればそのお金で商品を買う人も増えて、売り上げが増えれば雇用も増えるという好循環を生み出すことになります。

(2)物価安定と景気のため金利を操作する
今のようにコロナで景気が悪く購入意欲が下がった時は低い金利で多くの人にお金を供給することで購入意欲を上げてもらって経済を回したいので金利を低く抑えます。しかし景気が良くなると購入意欲があがるので「ものが少なく」なって物価が上がり始めます。そうすると例えば食パンが1000円などになると生活に影響が出ますので、金利を上げてお金を借りにくくして購入意欲をさげて物価を引き下げます。

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3.その影響で何がおきるのか

何をしているかは分かったと思いますが、なぜ世界経済はこのFRBの動きを気にするのでしょうか。特に投資家や起業家はFRBの動きに一喜一憂しています。その理由を簡単にいくつか記載します。

(1)株価に影響する
市場に供給されたお金は雇用だけでなく株式、不動産などに資金が循環していきますので株価はそのお金を期待して上がっていきます。期待するから株価が上がって、上がったからさらに期待して株価を買うという流れ。
実態とかけ離れるとバブルと呼ばれる状態になります。

2021/8時点では今年中に購入額を少なくするかも(テーパリングと呼ばれる)という話がでていて、購入されない→市場にお金が供給されないと株式などの投資資産が値下がりをはじめ、下がるとさらに失望して売りが始まって負の連鎖が始まります。そのために投資家はFRBの動きを警戒しているのです。

日本も海外投資家が7割を占めますので大きな影響をうけます。

(2)企業や経済の活動を抑制する
多くの企業は基本的に銀行などからお金を借りて運営しています。そのため借りたお金に対する金利を払っています。従って金利が上がってしまうとその利子を払う額が多くなるので企業の利益が少なくなります。特に成長企業ほど多くのお金を借りてますので支払いも多くなるし、お金を調達して利益が出る状態までたどり着けないと倒産するので新しいビジネスをするのが難しくなります。
また、お金を借りにくい状態になると、将来に向けての設備投資ができなくなるので設備を作る機械メーカーや、ローンを組めないと家を買うのは難しいので不動産業者なども苦しくなるのでこういう企業の活動は抑制されていきます。
ただし、一般消費者からいえば物の値段が上がらないので暮らしやすさにはつながっていきます。

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4.まとめ

米国経済がコロナから復活して強くなってきているのに、お金を供給し続けているので、バブル状態になったり物価があがるのではとの懸念があって、抑制のための動きが2021/8時点では活発になってきています。つまりは
・市場へお金の供給を少しずつ少なくする→株価低下→バブル抑制
・米国の金利を少しずつ上げる→企業活動の抑制→物価安定
という動きになります。

その動きに沿って自分たちは何をすれば良いのかといえば
・短期では値上がりした商品の利益確定
・長期投資は継続して値下がりした分多く買えるので続ける
という動きになりますね。

ただ、将来のことは誰にもわかりませんので必ずしもこのようになるとは限りませんが、原理原則からいうとこのような動きが一般的です。
投資は自己責任なので私の情報もうまく活用して、自分なりの行動に落とし込んでみてください。

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