毎日を楽しく過ごすための、魔法の言葉を見つけたぞ。
先週の日曜日、夫と二人で久しぶりに「サニーサイド」へ行った。
「サニーサイド」とは、うちから少し車で走ったところにある、人気のパン屋さん。広い駐車場があり、カフェが併設されていて、恐ろしいほど人がたくさんやってくる。
この日も入場制限がかかるほどの行列で、店内も人でごった返していた。
特に人気のカレーパン(牛肉がゴロゴロ入っている!)は、15分置きに揚げたてが出てくるのだが、陳列台に置かれるやいなや、人々の手がバーッと伸びてきて、ほんの数秒でなくなる。1日で1000個~2000個も売れるらしい。まさに争奪戦だ。
この日は運よくカレーパンをゲットでき、目移りして迷いながらも数個のパンを選び、これまた長い行列のレジに並んで、ようやく店を出られた。
コーヒーも買ったので「外で食べよう」ということになり、店の裏にある古墳公園へ。天気がよかったので、多くの家族連れが木陰の芝生にビニールシートを敷いて、お弁当やパンを食べていた。
私たちも木陰に陣取り、ピクニック気分でパンとコーヒーを楽しんだ。
木陰に座っていると、風がやさしい。
自然と笑みがこぼれて、「気持ちいいねー」と言い合った。
しばらくすると、向こうから子供の大きな笑い声が聞こえた。見ると、お母さんとふざけながら歩いている幼稚園くらいの子どもが、もうこの世のすべてが楽しくて仕方がないとでもいうように、狂ったようにきゃあきゃあとはしゃいで、笑い声を立てている。
笑い声につられて、こちらもふふっと笑い、「楽しそうやなぁ」と、私も夫も目を細めた。
その数分後、また別の家族が歩いてきた。今度はお父さん、お母さんと、3~4歳の男の子だ。私たちの座っている横を通り過ぎる時、男の子がこう言ったのが聞こえた。
「なーんか、きょうは、たのしいなぁ~」
3人の背中が小さくなっていくのを見つめていると、夫が「今の子も、楽しそうやったな。なーんか今日は楽しいなーって言ってたで」と笑った。
「うん、あんなこと言われたら、お父さん、お母さん、嬉しいやろね」
「うん、あんなこと言われたら、この子をもっと楽しくしてやろうと思ってしまうよね」
「うん、そうやね」
2人でそんなことを言い合って、私たちもなんだかほわっと温かい気持ちになった。
帰りの車の中で、くまのプーさんが「はーちみつ、食べたいなー」と言う感じで、私が「なーんか、今日は、楽しいなぁ~」と、あの子のマネをしながら大きな声で言うと、夫が爆笑した。
それからバカみたいに何度も「なーんか、今日は、楽しいなぁ~」と言っていると、それだけで頬が緩んでにこやかになり、気持ちまで楽しくなってくることに気づいた。
言葉には「言霊」があるというが、あれは本当だと思う。
楽しいから「楽しいな」と言うのではなく、「楽しいな」と言っていたら、楽しくなってくるのだ。
毎日を楽しく過ごす、魔法の言葉を見つけたぞ。
暗い気持ちになりそうなときは、大きな声で言ってみることにした。
「なーんか、今日は、楽しいなぁ~」