取材の面白さは、人の生き様を少しだけ垣間見れることだ。
世の中の「ライター」と呼ばれる職業を大きく分けると、今は3つに分かれるように思う。
少し前までは
・取材して記事を書く→ライター
・主に広告などのコピーを書く→コピーライター
の2種類だったような気がするのだが、最近はどうやら「Webライター」と呼ばれるジャンルができたらしい。
このnoteでも「Webライター」と称する人々が自分の仕事のことなどをよく書いているのを見かける。
私が大学を卒業した頃なんて、「ライター」と呼ばれる職業に就きたければ、新聞社や出版社、もしくは編集プロダクションや広告制作会社に就職するしか手だてがなかったが、今はあの頃よりかなり「ライター職」の門戸が広いと感じる。
それは少し羨ましい。
インターネットの発達により誰もが発信できる手段を持つようになったし、世の中に情報があふれている分だけ、それを「書く」人間も必要なわけで。
案件もクラウドワークスなどを利用すれば、個人で直請けできるから、ライティングの仕事は探しやすくなっていると思う。
ただ、自分はやっぱりいつまでも「取材ライター」でありたい。
現場に行って、インタビューをして、できれば紙媒体で書きたい。(結局、紙が好きなんだ)
そしてやはり、記名入りの記事がいい。
今でも新聞や雑誌、制作物の奥付で自分の名前を見ると嬉しい。興奮する。
取材ライターでありたいのは、「書くこと」と同じくらい「取材」が好きだからだ。
初対面の人に根ほり葉ほりいろんなことを聞くというのは神経を使うし、それなりにしんどさもある。
でもそれ以上に、誰かの人生や生き方、想いを垣間見ることができるのは、この仕事ならではだと思うのだ。
他の仕事に就いていたら、おそらく知り合うことなどなかった人々。
全く興味のない業種。
名前も知らなかった企業。
それらにほんの少しだけど触れられて、書くことができるのは幸せなことだ。
この世の中のあらゆるものはすべて、誰かの手で、誰かの仕事でできているのだと、そんな当たり前のことを実感できる。
だから、私は「普通の人」のことを書きたい。
有名人のインタビューなど、特にやってみたいと思ったことがない。
どこにでもいる平凡な「普通の人」の生き様や想い、仕事に対する情熱などを聞きたいし、書くことで表現したい。
25年も書き続けてきて、まだそんなことを思っている。
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