「日本酒の日」は久しぶりの外食。変わらぬ味で迎えてくれてありがとう。
10月1日は「日本酒の日」だった。
ちょうど緊急事態宣言が明け、時短営業ではあるものの、大阪でも飲食店で酒類提供が解禁された日でもある。これは外に飲みに行かねばと、夫と出かけた。
どこに行こうかと相談し、もう何年も前から何度も通っている「蠣鯖人酒 宇久」さんに決定。牡蠣、鯖寿司、まぐろ、その他もろもろ旬の魚介と日本酒がおいしいお店だ。
人気の店なので予約でいっぱいかと思ったが、電話してみると「空いてますよ」とのこと。ホッとして、2名で予約した。
18時半過ぎに着き、店に入るともうテーブル席は埋まっていて、カウンターも1組いる。電話では「全然いけますよ」という感じだったのだが、予約しないと入れなかったかもしれない。それくらい盛況だった。
カウンターに座り、まずは日本酒メニューを開く。
久しぶりに生ビールを飲みたい気持ちを抑え、「日本酒の日なんだから」と、まずは日本酒で乾杯することにした。
私は「栄光富士」、夫は「町田酒造」でカンパイ!!
ああ、外で飲むお酒って、こんなにおいしかったんだと思う。
店内のざわめきや小さなBGM、人々の笑い声、店員の注文をとる声などが新鮮に耳に響く。
こんな「当たり前」のことが、「当たり前」ではなくなっていたんだと、改めて思った。
料理はやっぱりお造りから。メニューにおいしそうなものが並んでいて目移りするが、今の時季はやっぱり秋刀魚!ということで、「鯖、鯵、秋刀魚の青魚三種刺し盛り」を選んだ。(私も夫も青魚が大好き)
ああ、たまらんよ、これは……!
某回転寿司の秋刀魚のお寿司を「結構おいしいねー」と言っていたこの間の自分を殴ってやりたい。恥ずかしい。(いや、あれを100円で出せるのも素晴らしい企業努力だけれど)
秋刀魚をひと口、お酒をひと口。
夫と顔を見合わせて、それから自分の世界に入って目を閉じる。
なんだ、この幸せの味は。
次に、このお店はマグロが美味しいので、カマ先トロの炙りを。
これがまた……!「とろける」とはこのことか!
そりゃ、お酒も進む(笑)。
私が「赤武」、夫が「篠峯」。
「タラの白子」は湯引きでいただく。甘くてとろとろ。
天ぷら盛り合わせは、もずくの天ぷらが特に美味しかったな。
またお酒が進む。
「紀土」のひやおろしと、右のかわいいラベルは秋田の木村酒造の「バタフライエフェクト」。
アルコール度数13.5度、日本酒度-14.5という、軽くて飲みやすいけどかなり甘口のお酒だった。おいしいけれど、料理は選ぶ。(天ぷらではなかったな)
最後はマグロのカマ塩焼き。中くらいの大きさのがなくなったということで、大にした。すごいボリューム!
お酒は「不老泉」で締めた。
すべてが美味しく、大満足だった。
宣言明け初日だったので、ちょっとバタバタしていて、いつもより料理が出てくるのが遅かったが、それを待つ時間も苦にならなかった。
時々ちらっと周りに目をやると、お客さんがみんな楽しそうで、それを見ているだけでこちらまで嬉しくなった。
みんな待っていたんだな、と思う。
それに、やっぱり「初日はこの店で」と選んで来ているはず。
それってお店の人も嬉しいだろうなと想像したら、感情移入して泣きそうになってしまった。
京都でバーを経営している友達がいて、協力金をもらえるし、副業だし、一人でやっているから、金銭的には全く困っていないのだが、「通常営業になった時、お客さんが戻って来てくれるやろか……」とずっと心配していた。
「飲めればいい」のではなくて、「この店で飲みたい」と選んでもらうということは、飲食店にとって大事なことなのだろう。
だから、店主は何度も私たちに「初日から来てくれるなんて……」「初日からありがとうございます」と言ってくれたのだ。
でも、それを聞きながら、「こちらが、ありがとう、やで~」と思っていた。
経営的にも大変だっただろうし、メンタルもやられただろうし、これからもどうなるか絶対不安なはず。
でも、ちゃんと再開してくれて、変わらぬ味で迎えてくれた。いつも通り、とても居心地のよい空間だった。
ごちそうさま、ありがとう!!