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Photo by
madotteorimasu
そんなこと
たくさんの声、こえ、こえ?
がしていると
そっとじっとだまるのです
いいたいかきたい
ぼくがわたしがは
みぞおちをへんにざわつかせ
そこにいつもはしずかに
凪いである水面が
かきまぜられ
くるしかったりするのです
月のうらっかわほどのところまで
にげて
にがして
あたりがしんとしずかになったころ
もどりましょうか
ぼくがわたしがの
そんなざわざわから
とおいとおい森の中に
ぽつんとうちすてられている
椅子のうえに
ちょこんともどって
森に落ちた小枝など削ってこしらえた
えんぴつのような一本
森の木からすいたかみに
のようながすすむままを
天だかどこだか
まるでわからないどこかへと
届くだか届かないだか
ちっともわからないままの
ことば?それははたしてことばなの?
いままで見たこともない線というものなの?というほどのものことを
書きとめるでなく書きとめて
そのうちにこんどは時のほうから
やってきて
月のうらっかわかどこかへと
にげなくても
つれてってもらえる
そんなことに
なっている
たぶんそんなことなのだから
#詩