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菫の白の崖肌の

崖の淵に突っ佇って
覗き込む

未来などあるのかと
問うでもなく問うて
問うからあやうく遠くなる
その視線の先
崖の肌に白い菫が摑まっている

ないをないとして
あるものはささやかすぎて
声などあげること叶わず
だれに見られることなく
それを嘆くでなく
しずかにそっと

菫の白に吹き上げたのは
菫を生かそうとする
未来からのその風


#詩 #月音花声




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