
喉元過ぎれば熱さ忘れる
何か燃えている?
お昼頃、どこからともなく燻したような煙の臭いが漂ってきた。
我が家が発生源かと慌てて台所を見たけど、何も異常はない。
気のせいかもと思いながら、なんとなくベランダから外を見てみた。
その時、白い煙がゆらゆらと空に立ち上って行くのが見えた。
雲みたいだけど雲じゃない、ふわふわゆらゆらと動く白い浮遊物。
「あれが燃えてる場所?」
驚いたことにそれは思ったより近所。
炎が見えないから場所は確定できなかったけど、多分あの辺りだ。
乾燥した青天と強風が続いている関東地方は、毎日あちこちで火事が多発している。
これだけ条件が揃っていれば、いつどこで火事が起こっても不思議じゃない。
何年か前徒歩5分くらいの場所で火事があった時は、夜にも関わらず、真っ黒な煙がもくもくと上がり、炎が激しくゆらめく様を目の当たりにして、本気で自宅まで燃え広がるんじゃないかと、心底怖くなった。
そんな経験をしたにも関わらず、自分の近くでは火事なんて起こらないんじゃないかと思い込んでいる。いわゆる「正常バイアス」ってやつ。
あの時の恐怖や緊張感も、時間が経つと薄れていく。
まさに「喉元過ぎれば熱さ忘れる」とはこのこと。
私は無意識な油断を自覚した。
幸い大きな火事にはならなかったようで、気がつけば煙の臭も無くなっていた。
もしかしたら、本当に近所の数人だけが気付いたのかもしれない。
火元のお宅は大変だけど、被害が最小限で済んだのは不幸中の幸いだったと思う。
なんとなく大丈夫だと思い込んでいると、取り返しのつかない事になるかもしれない。
だから火の取り扱いにはくれぐれも注意しなくてはと、改めて思った午後の出来事だった。
今日も読んでくださって、ありがとうございました。
いつもと違う雰囲気の文章になりました。
また遊びに来てくださいね。
では、また。