ピカソとその時代-自分の中に「絶対」を持つ人達
国立西洋美術館で開催中の「ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」に行ってきました。
ピカソの日本初公開作品35点をはじめ、マティス、セザンヌ、クレー、ジャコメッティ、ブラックなど、ピカソと同時代に活躍したアーティストの作品が並びます。
ピカソは大好きです。でも今回ピカソには申し訳ないけど(なにが)、もっと大好きかもしれないパウル・クレーの作品がたくさん見れて楽しかった・・!
とはいえ、ピカソのことも少々語らせていただきたい。
ピカソと言えば、青の時代、ばら色の時代、キュビスムなど、作風が時代(付き合ってる女性)によって変化していくアーティスト。
顔や身体がデフォルメされた絵がフォーカスされがちだけど、それだけじゃない、色んな時代に描かれた絵それぞれが好きです。
特にこの辺りの絵が凄く好き。
私はシュルレアリスムが好きなので、なんだかこういう絵に惹かれてしまいます。
ピカソは「よくわからない絵を描く超天才」みたいなイメージが強いのかもしれないけど、私はピカソは「挑戦」と「探究心」の人だと思う。真っ直ぐで、とにかく真っ直ぐで、子供の心の眼を持っている、持っていたいと努力する人。
女性が変わる度に作風が変わるぐらい熱中できるって凄いよね。
漫画の主人公っぽい人だなあ。モテるのめちゃわかる。
でも今回の私的な主役は、パウル・クレーさんでした。
この人は、なんか、自分だけの小宇宙を持っている人だなあ、と。
超理論派で超繊細なのに、ユーモアやファンタジーのセンスが最高。理論と感覚の両方が混ざっている感じ。あと基本暗い人なんだろうなってのは伝わってくる。
イメージ的には「色彩の人」っていうのはありつつ。
↓これとか凄く好き。
タイトル「運命のファゴット・ソロ」
最高や
↓これとか。
タイトル「野蛮なー古典的ー祝祭的」
…うん、なにが?という
「少女たちの光景」
暗すぎ。
クレーの絵は、見てるとニヤニヤしてしまう。(怖)
絶対的にクレーにしかわからない世界なんだけど、なぜか「うん、うん」「わかるよ」って思う。
いや、全然わからないんだけど。なんていうか、「あー、ね…!」みたいな感覚になるというか。不思議だ。
クレーは、音楽が大好きで、「音楽を絵で表現する(音楽の視覚化)」ということを追求した人らしい。
「無から生まれてくるものが真の創造である」
さらには、
「創造というのは過程であって、結果ではない」
と、芸術をこんな風に語っている。
とにかく誰にも理解されない、クレーにしかわからない理論で「音楽を絵にする」を追求したクレーなりの解。
ピカソもクレーも、自分の中に揺るぎない「絶対」を持っている人達だ。
それは挑戦し続けている人にしか得られないものだから、かっこいいのだ。
私はよく「同じクラスに居たらどういう関係になっているか?」という謎の想像をするのが好きなんですが、たぶんね、クレーは友達になれるんだけど、あちらが超人見知りだろうから仲良くなるまで凄く時間を要する。
そんで、やっぱりピカソは、ちょっと憧れかなあ。
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