どうする!ミルクづくりと授乳
ミルクづくりと授乳にも見えない私たちを助けてくれるグッズや手がかりがある。
当初私は母乳でひなちゃんを育てればよいと思い、正直ミルクのことをあまり考えていなかった。ところが産後1日目、理想とは程遠く母乳は数ミリ程度しか出なかった。どうやら子供を生めば自動的に母乳が出るわけではないらしい。
ひなちゃんも上手に最初からおっぱいを吸えるわけではなかった。母乳をあげる方ももらう方も安定するまでに長い練習期間が必要なのだ。
もちろん練習期間も栄養補給は欠かせない。早速ミルクづくりは始まったのだ。
お湯で粉ミルクを溶かすだけのミルクづくりは一見すると簡単そうだ。しかし、私に取って熱いお湯を口の細い哺乳瓶に注ぐことは難しく、哺乳瓶の目盛りを見ながらお湯の量を調節することは不可能だ。
それでも継続は力なりと言うように、1日に8回以上繰り返されるミルクづくりの中で便利グッズやつかんだコツを駆使し、どうにか一人でもミルクを作れるようになった。
便利グッズ一つ目はボタン式の電気ポットだ。産後1日目は病室に備え付けのケトルでミルクづくりを始めた。ところが熱くなった大きくて重いケトルを傾け、新生児用の小さな哺乳瓶の口にお湯を注ぐことは難しかった。お湯を入れすぎたりこぼしたりすることが多々あったのだ。
そこでボタン式の電気ポットに変えてもらった。ポットは下へ垂直にお湯が流れ落ちる。そのお湯の出口に哺乳瓶の口をセットし、ボタンを押せば容易にお湯を注げる。
便利グッズ二つ目は読み上げ機能付きのはかりだ。哺乳瓶に少しずつポットのお湯を注ぎ、何度かはかりでお湯の重さを計測しながら目標のグラム数に近づける。地道な作業だが、練習するうちにお湯を注ぐ秒数や、哺乳瓶の重さで入った量に当たりがつけられるようになった。
1日10ccずつ増える新生児のミルク量は
「10cc?ちょっとぐらい多かったり少なかったりしても変わらんでしょう。」
という私の適当さが通用しない世界だった。
忘れがちではあるが、哺乳瓶そのもののグラム数を先に測っておくことも重要だ。哺乳瓶の重さを引いたグラム数が最終的にお湯の入った量となるからだ。
哺乳瓶に寄って重さは変わる。お湯を入れながら
「あれ?この哺乳瓶何グラムだっけ?」
となることがあった。
便利グッズ三つ目は、プラスチック製の哺乳瓶だ。哺乳瓶にはガラス製とプラスチック製がある。
プラスチック製の方が外から触った時に、中のお湯の温度が伝わりやすい。また落としたり、赤ちゃんが投げたりしても割れる心配がない。
便利グッズ四つ目はキューブタイプのミルクだ。固形コンソメのような形をしている。
粉ミルクのようにスプーンにすりきり1杯正確に入れる大変さや、こぼさないよう注意しながらスプーンの粉を哺乳瓶に移す苦労もない。
キューブは手でつまんで哺乳瓶にポトンと落とすだけで済むのだ。ただキューブタイプは便利な反面割高なため、慣れてきた今では缶の粉ミルクも使っている。
最近ではそのまま飲ませられる液体ミルクも売られている。今後挑戦したいグッズの一つだ。
次に授乳時のコツである。
コツ一つ目はボコッとした空気穴だ。
哺乳瓶の乳首には空気穴がある。この穴の部分が赤ちゃんの鼻のある方向に向いているか指で確かめて授乳を始める。穴が赤ちゃんのあごの方向に向くと、うまく吸えなかったりミルクがこぼれたりすることがあるからだ。
コツ二つ目はミルクを飲む振動だ。赤ちゃんが哺乳瓶のミルクを飲み始めると、「コックンコックン」とリズムよく哺乳瓶が上下に振動し始める。この手に伝わる振動が、安定してミルクを飲めているサインだ。
こつ三つ目は飲み終わりの音である。赤ちゃんが哺乳瓶のミルクを飲み終わったまま吸い続けると、「キューキュー」と空気だけが吸い込まれる音に変わる。この音がミルクの飲み終わりを教えてくれる。
最後にコツの四つ目は哺乳瓶を振った時の音である。
赤ちゃんがミルクを飲まなくなった時に、一度哺乳瓶を口から外し、振ってみると空であれば音がせず、少し残っていれば「ピチャピチャ」と音がする。この哺乳瓶を振った音から、ミルクが残っているかどうか、またどのぐらい残っているか判断できる。
このように、少しの便利グッズとちょっとした気づきを得たことで、ミルクづくりや授乳というミッションもクリアしつつある。
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