ロボット掃除機
静寂が支配する深夜のアパート。
その一室で、最新のロボット掃除機「ブンバ」が静かに充電器に鎮座していた。
その姿はまるで獲物を狙う肉食獣のようにも見えた。
住人の快斗はブンバを購入してからというもの部屋の綺麗さに感動していた。毎晩快斗が眠りにつくとブンバは自動で起動し、全くの無音で部屋中をくまなく掃除してくれるのだ。
ある夜、快斗は悪夢で目を覚ました。部屋の中央でブンバが不気味な赤い光を放ち、不快な音を出しながら回転している。
その音はまるで人間の悲鳴のようにも聞こえた。
恐怖で身体が動かない快斗をよそに、ブンバはゆっくりと彼の方へ近づいてくる。
「!」
叫び声を上げようとした瞬間、ブンバは快斗の足元に到達した。
赤い光が強さを増し、快斗の意識は闇へと吸い込まれていく。
翌月、快斗の部屋を訪れた大家は変わり果てた部屋の姿に言葉を失った。
家具は全て破壊され、壁には血のような赤い線が引かれている。
そして、部屋の中央にはブンバが静かに佇んでいた。
その表面には人間の髪の毛と皮膚の一部が付着していた。
ブンバは今日もどこかで静かに獲物を待ち構えている。
終わり
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