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虫刺されの先に
蝉の声がむせ返るような熱気を帯びた夏の夜。空には厚い雲が垂れ込め、星ひとつ見えない。
廃墟となったラブホテル「メトロポリタン」
かつては華やかさを誇ったであろうその建物は、今や蔦に覆われ窓ガラスは割れ、朽ち果てた姿を見せていた。
二人の探偵はこの薄気味悪い廃墟の駐車場に潜み既に3時間が経過している。
向かいにあるラブホテル「プロヴィンシャル」で不貞を働く対象者たちの証拠をカメラに収めるためだ。
彼らは息を潜めていたが、長時間の張り込みと全身を蚊に食われた痒みとで集中力は限界に近づいていた。
探偵A:「あぁ、痒いっ!暑いっ!臭いっ!帰りたいっ!」叫ぶように毒づいた。
探偵B:「そうだな。こんなところにいるより家で冷たいビールでも飲んでいたいよ」
その時、奇妙な出来事が起こった。
探偵A:「おい、見てみろよ、あれ」
探偵Aが指さした方向には一台の朽ち果てた車が止まっていた。なぜかヘッドライトが点滅し、エンジンのセルが回り続け始めた。
探偵B:「誰も乗ってないみたいだけど…」怪訝そうに言った。
直後、車の後部座席の窓がゆっくりと下がった。
「うわっ!」
2人の探偵は驚きの声を上げた。
窓から現れたのは一匹の黒猫だった。
探偵A:「なんだ、猫か」安堵のため息をついた。
しかし黒猫は2人の探偵に向かって何かを訴えるように鳴き始めた。
探偵B:「何か言いたげだな」猫に近づいた。
すると黒猫は車のトランクの方へ歩いて行き、振り返って2人の探偵を見た。
探偵A:「まさか…」
2人の探偵は恐る恐るトランクを開けた。
「うわああああ!」
トランクの中には白骨と化した人だったものが倒れていた。
数日後、廃墟の遺棄事件は無事に解決し二人の探偵は警察署長から感謝状を授与された。
探偵B:「もしかしたら、あの猫は…
あの人の魂が乗り移っていたかもしれないな」
2人の探偵は顔を見合わせ、小さく頷き合った。
あの夜の不思議な黒猫の事は2人だけの秘密として深く胸にしまわれた。
終わり
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