深夜の首都高 神奈川1号横羽線
空は墨を流したように黒く、星も月も隠れて街灯だけが唯一の光源となっていた。規則正しく並ぶオレンジ色の光がアスファルトに吸い込まれるようにどこまでも続く一本の道を照らし出している。
その道を一台の古い型の白い軽バンが走っていた。
ヘッドライトは黄ばんでいて、ところどころ錆びついた車体は長い年月を走り続けてきた証のようにくたびれて見えた。エンジン音は低く唸り夜の静寂を切り裂くように響いていた。
探偵A:「やれやれ、今日も無事に終わったな」伸びをしながら言った。
助手席の探偵Bは退屈そうに窓の外を眺めている。
探偵B:「そうだな。でも今日の依頼人はちょっと変わってたな」
探偵A:「ああ、あの奥さんか。旦那の浮気調査なのにやたらと楽しそうだったな」
探偵B:「だよな。普通はもっと悲しそうにするもんだが…」
二人はしばらく沈黙した。
探偵A:「そういえば今日の晩飯はどうする?」唐突に話題を変えた。
探偵B:「うーん、何でもいいけど…。お前、さっきから腹減ったって言ってるよな」
探偵A:「だって、朝から何も食ってないんだもん」子供のように駄々をこねた。
探偵B:「じゃあ、コンビニに寄るか」諦めたように言った。
車は吸い込まれるように横浜駅西口ICから一般道に入る。
二人はコンビニに立ち寄りそれぞれ好きなものを買った。
車に戻り、再び走り出す。
探偵B:「そういえばさ、お前最近彼女と上手くいってるのか?」
探偵A:「え、なんで急にそんなこと聞くんだよ」
探偵B:「いや、なんとなく」含み笑いを浮かべた。
探偵A:「別に、上手くいってないわけじゃないけど…」言葉を濁した。
探偵B:「ふーん、そうか」
二人は再び沈黙した。
コンビニで買ったものを食べ終え、車は夜の街を走り続ける。
探偵A:「なあ、お前さ…」再び口を開いた。
探偵B:「何だよ」少し面倒くさそうに答えた。
探偵A:「俺たち、この仕事いつまで続けるんだろうな」少し寂しげに言った。
探偵B:「さあな。でも、俺たちにはこれしかないだろ」少し考えてから答えた。
探偵A:「そうだな」小さく頷いた。
車は夜の街を走り続ける。
二人の探偵の未来はまだ誰にもわからない。
ただ、二人はこの仕事を続けることだけは決めていた。
それは彼らが唯一誇れるものだったからだ。
終わり
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