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探偵と未知との遭遇

古い型の白い軽バンが公園脇の道にひっそりと佇んでいる。
昼を過ぎ、夕暮れが迫ってもその車は微動だにしない。
車内には二人の探偵がまるで骨抜きにされた魚のようにシートに深く沈み込み、外をを虚ろな目で眺めていた。

過ぎ行く時間と共に周囲の喧騒が静まりゆき、日もほとんど沈みかけている。
彼らが追うべき影はまだ現れない。

探偵A:「なぁ、犬ってさ、なんで尻尾振るんだろうな?」後部座席で外を眺めながら呟いた。

探偵B:「なんでって嬉しいからだろ?犬飼ったことないのかよ」ハンドルを握りながら答える。

探偵A:「飼ったことくらいあるよ。でもさ、考えてみりゃ変じゃね?嬉しいと尻尾振るって。人間で言ったら嬉しいと頭振るみたいなもんだろ?」

探偵B:「あー…言われてみれば確かに。じゃあなんで尻尾なんだ?」

探偵A:「えーっと…、感情表現してるんじゃないのか?嬉しい時はブンブン振って怖い時は尻尾を下げる、みたいな?」少し考え込みながら答える。

探偵B:「いやそうなんだけどさ。なんで尻尾で表現するんだよって話。前足もあるし後足もあるじゃん」

探偵A:「確かに…なんでだろ。進化の名残とか?」

探偵B:「進化の名残で尻尾振るってのも変だよな。じゃあ人間の祖先も嬉しいと尻尾振ってたのか?って話になるし」

探偵A:「…それは…どうなんだろ…」完全に詰まってしまった。

犬が尻尾を振る理由、それは一見単純明快なようで深く考えると謎に満ちている。

探偵A:「あっ、ヤバっ!俺、わかっちゃった...」全ての謎が解明したかのような顔をしながら言った。

探偵B:「なにが?」

探偵A:「犬って宇宙人なんじゃね?」

探偵B:「宇宙人…?なんでだよ」

探偵A:「だってさ、尻尾振る理由がわかんないじゃん。地球の生物じゃないのかも」

探偵B:「はぁ…お前、暇すぎだろ」呆れたようにため息をついた。

探偵A:「おい、見てみろよ!犬の散歩してる!」窓から外を指差した。

探偵B:「おっ、本当だ。….…っ!!」

その犬はなんと尻尾ではなく頭をブンブン振って歩いていたのだ。
飼い主らしき女性は困ったような顔で犬のリードを引いている。


探偵A:「…やっぱ宇宙人じゃね?」


終わり


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