曲と歌詞⑪

今日からは「詩」として評価できる作品について書いていきたいと思います。

まずは宇多田ヒカルさんの「花束を君に」です・

理由は今聴いているから、という安直な理由ですが(笑)。

「Fantôme」自体が、やはり母親の死に対して書かれた曲が多い印象のアルバムなので、全体的に暗喩の多い作品だと感じていますが、やはりこの曲は有名だし、もちろん単に有名だからという理由で取り上げる、という訳でもなく、そういった曲の方がやはり分かりやすいからです。

全然知られていない曲だと、歌詞を全部ここに書かなきゃいけないですからね(笑)。

その点この曲であれば、朝の連続テレビ小説の主題歌ですから、さすがに書かなくても分かるでしょうし。

この曲の歌詞、最初の「普段からメイクしない君が 薄化粧した朝」という部分、最初に聴いただけでは、心にひっかかる表現だとは思いますが、この部分だけでは、何を意味しているかは分からないと思います。

で聴いている内に、色々な想いがないまぜになりながらも、相手に対する感謝の念が表現されています。

で、終わりの方にある「たった一度 さよならの前に」で、最初の部分の「意味」が始めて分かる、そういう構成になっています。

多分、この詩って最初の部分が一番肝心だと思っています。この部分が一番端的に「死」を表しています。

他の部分は間接的にしか「相手」のことを語っていないのに対し、この部分は「直接的」な表現です。でもこのことが「直接的な表現」と分かるのは曲の終わりにかけてです。

こういう歌詞だとやはり「詩」を感じますね。

後、「花束」という言葉自体が一種の暗喩かもしれませんね。

ただ、確かにこの「詩」の最初にフレーズで「朝」という言葉は出てくるものの、この曲が毎朝ドラマの冒頭に流されるような曲かと言われると、少し考えさせられる部分もあります。

ただ「個人的な出来事」を突き詰めると「普遍」に辿り着くことは自然なことだと思っていて、そういう部分が「共感」につながるんだと思います。だからこれでいいのかもしれません。

自分も朝に聴くことも多いし...。

まあこの曲が主題歌だった番組は見たことがありませんが(笑)。



ほぼ書きたいことを書いていて、読んでいただけることも期待していませんが、もし波長が合えばサポートいただけると嬉しいです!。