旋法⑧
で、今日は現代使われている旋法の話から。
今は「ヒポ」という旋律は存在しない、と言っていいでしょう。
「ヒポ」があった理由として、使える音の範囲が限定的だった、ということがあります。基本旋律は1oct.の中で作られるものだったので、主音を最低音にすると、制約が大きくなりやすいんですよ。
ただ、現代の音楽でこのような制約を考えて作品を制作している方はほとんどいないでしょうから、「ヒポ」という概念が大きな意味を持たなくなります。
またどうしても今の音楽は和声法の影響も受けてしまうので、主音から完全5度上の音に意味を見出す、「ヒポ」の付かない旋法の方が普通になるのは当然のことかと。
なので、今使われる旋法は
イオニア旋法(アイオリアンもしくはイオニアン)
ドリア旋法(ドリアン)
フリギア旋法(フリジアン)
リディア旋法(リディアン)
ミクソリディア旋法(ミクソリディアン)
エオリア旋法(エオリアン)
ロクリア旋法(ロクリアン)
の7つです。
何故括弧の中の表記が使われているかというとMiles Davisがアメリカ人だったからです(笑)。
それ位この世界では重要な位置を占める人物ですから。
ただこれをスケール名として使うことがありますが、旋法とスケールでは意味が違います。旋法からスケールが生み出された、という関係性しかありません。
で、ここでこれまで「理論上の存在」とされていた「ロクリア旋法」というものが実際に使われるようになります。
Bを主音とする旋法です。
これは最後に追加された西洋の一般的な旋法で、「ヒポ付き」もあります。ただ、どちらかというと理論的帰結として追加された旋法であり、実際に使われるために追加された訳ではありません。
むしろ現代においての方が使われる頻度は高いでしょう。
トライトーンがどうだか、という話から現代の音楽は離れていますからね。ある意味当然の帰結だったのだろうと思います。
明日は現代の旋法を復活させたとも言っていい、その人物について取り上げたいと思います。
ほぼ書きたいことを書いていて、読んでいただけることも期待していませんが、もし波長が合えばサポートいただけると嬉しいです!。