音楽は儲かるのか㉛
そもそも論ですが、これまで拡散する方法について書いてきました。
タイトルと関係のない話だと思われる方もいらっしゃると思います。
でも実は深い関係があります。
なので一旦この辺について整理したいと思います。
原因はやはり音楽のサブスク化です。
聴かれてもまともな収益にならない方がほとんどです。
根本的に単価が低すぎる。
でもこれは自分でコントロール出来る話ではない。
そうなると、儲けるためには、再生回数を上げるか(キャッシュインを増やす)、キャッシュアウトを減らすかしかないんですよ。
でもキャッシュインを上げるのは至難の業。
再生回数に応じたキャッシュインしかありませから。
ライブがある、という方もいるでしょう。
ただ、はっきり言ってこちらの方が遥かに難しい。損益分岐点が変わるからです。
当たり前ですが、ハコ押さえるのにもコストがかかるし、そのための資金を確保するのも難しいでしょう。
コスト構造が違うから、一定の「固定客」がいないと難しい。
配信だけなら初期投資だけですみますが、こういう活動をするとランニングコストがかかるからです。
ライブで稼ぐためには相応の動員力がないと難しい。
で、ここに落とし穴があるのですが、それはまた改めて。
ここでサブスクの話に戻ります。
再生回数を増やすだけの手立てが無ければ、ほぼこれは初期コストを賄うことも難しいでよう。
で、再生回数を増やす手立てがあれば、何の苦労もない。
でもこれは誰にも分からない話。売れているミュージシャンですら理由は分からないでしょう。
だから「稼ぐ」ためにはキャッシュアウトを減らすしかない。
ただ、肝心なことは、音楽の場合、一般的なビジネスとは違っていて、キャッシュアウトを減らしても、アウトプットが悪くはならない。
金とアウトプットの間に相関関係はありません。
前にも書きましたが、YOASOBIの「夜に駆ける」、ほとんど金をかけずに作られている。
だからこそキャッシュアウトを減らすことが大切なことになる訳です。
でも単にキャッシュアウトを減らすだけでは縮小均衡になるだけです。
そこで、少ないコストでどれだけ拡散出来るかがポイントになってくる。
実は金があっても拡散出来ない状態までこの世界は来ています。
実際のところ、タイアップをとったところでたかが知れている、というより、タイアップ取っても売れない曲はいくらでもあります。
タイアップするコンテンツに依存しているから、そこ次第です。
最近アニメが売れていますが、それは一面だけであって、売れないアニメも現実には多い。
だからアニメが売れれば曲も売れるし、アニメがこけたら売れない。
で、一方で明確な理由もなく、突然バズるもあるじゃないですか。
レコード会社(ってレコードの売上はほとんどないだろうけど)やプロダクションの力が落ちているのは、こういう背景があるからです。
何やったら売れるかどうか分からない時代では厳しい職種でしょう。
こういう背景があっての「拡散」をどうするのか、という点について書いているところです。
と思ったのですが、ライブの話が残っていました。
明日はライブに関わる問題について書きたいと思います。