好きなミュージシャン(邦楽編)③

やはり最近だとUruさんですね。

最近の曲はやはりサブスクで聴かれることを前提に作られているので、展開も激しいし、「落とす」ところがない、メリハリで言えば「ハリ」ばかりの作品が多い中(決して否定している訳ではありません。「Pretender」とかやはりいい曲だと思いますし)、ほとんど自然体で作っているところがいいんですよね。

最初の内は他の方の作品を歌っていましたが、最近は自作曲が多いですよね。

正直「プロローグ」の時はフロックかと思ったんですよ。確かにいい曲だと思うし、でも一曲だけだとなあ、というのが正直なところでした。

でも「あなたがいることで」を聴いて驚きました。小林武史さんのイントロが上手いのはまあいつものことですが、聴かせどころが明確だから、サビが際立ってますよね。

特にこういうご時世だから、なおさらインパクトのある作品に仕上がっているのだと思います。

後、使っているコードが基本シンプルなんですよね。経過的コードでそうでないコードもありますが、これは恐らく編曲の際に編曲者がコードを付け加えたんだと思います(この曲がどうかはともかく、編曲者がコードを足すのは普通にある話です)。

基本Uruさんはシンプルなコードだけで曲作っているんじゃないかな。難しいコードを使うことがかっこいいと思っている方、特にアマチュアの方に多いですが、シンプルなコードの方が響きは絶対にいいんですよ。

もちろんジャズの世界は全く別もので、複雑なコードが高い頻度で使われる曲もありますが、これは「編成」の問題が大きいと考えています。基本ジャズでは複雑なコードであろうがなかろうが、演奏者にとってはあまり関係ない話です。そもそも自由度の高い世界であり、インプロヴィゼーションの世界である以上、コードはあくまでも演奏のための「ツール」です。

で、ビッグバンドは基本聴かないし良く知らないので(聴くのはGil Evance位(有名なジャズ・ピアニストと名前が似ているだけで誤字ではありません(笑))、あくまでも小編成でのジャズの話になりますが、ジャズだと持続音系の楽器が少ないので、複雑なコードが連続してもハーモニーという点において違和感が出にくいです。

それに対してJ-POPはコーラスを入れたりとか、ストリングスのようなパッド系の音が多用されるから、複雑なコードが連続すると、どうしても違和感が出やすいんだと思います。

逆に言うと、J-POPでも編成次第では複雑なコードが連続して使われても響きが悪くことはないはずです。

やはり根音ー長短3度ー完全5度というコードは「強い」コードです。だからこそ最初はここから始まった訳で、ここから外れたコードはこのようなコードに解決しようという動きが強くなります。

だからこそ、曲の流れの中で複雑なコードを使うことは「あり」だと思います。で、その後普通のコードに解決する、という形になります。

やはり基本シンプルなコードの方が響きがいい分、聴いていてスムーズなんですよ。

もちろんスムーズなだけが音楽の「あり方」ではないし、そんなこと言ったらKing Crimsonなんて聴いてられません(実はKing Crimson自体はそれほど難しいコードは多くはないです。最近の曲は知りませんが(笑)、少なくとも「Red」あたりまでは。でも「スムーズな曲」ではないですよね)。

ただ、やはりこのような時代だからこそ、この曲の良さが引き立つんだと思います。

力が入っていない歌い方もまた、いいですよね。あれを歌い上げてしまうと今の時代には合わないでしょう。

ある意味今の時代にも合っているし、落ち着いて聴いていられる方だと思います。

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blue but green
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