曲と歌詞⑭
ということで、やはり今日も松本隆さんの作品に触れたいと思います。
今回は「ルビーの指輪」です。
これ曲はいいんですけど、アレンジは失敗に近いと思います。当時は「成功」だったんでしょうが、あまりにも尖り過ぎていて、いかにも「時代物」のアレンジになってしまっています。
曲自体はいいのだから、あまり狙いすぎないで、オーソドックスなアレンジにしておけば良かっただろうな、というのが正直な感想です。
前にも書きましたが、構成もいわゆる「Bメロ」がない曲で、感覚的には「洋楽」に近く、「verse」と「chorus」で出来ていて、かつ「chorus」から始まるタイプの曲です。
で、詩も上手くこの部分を使って作られていますよね。
「chorus」の部分は明らかに回想であるのに対し、「verse」は過去の事を語っているにしても「現在形」的な表現で書かれています。
で最後はやはりいきなり2年間経過したことが明示されている、ある意味「木綿のハンカチーフ」的な部分ですよね。
「時制」に対する「自由さ」が松本隆さんの詩の特徴だと思います。
あっちいったりこっちいったり、明示したりしなかったり、でも詩が時空の中を舞っているような印象です。
多分松本隆さんがいなかったら、「歌詞」自体の自由度も狭まっていたかもしれません。
で、明日もまた松本隆さんの歌詞について書きたいと思います。
ほぼ書きたいことを書いていて、読んでいただけることも期待していませんが、もし波長が合えばサポートいただけると嬉しいです!。