旋法⑫
今日は予告通りリディア旋法について書きたいと思います。
現代ではリディア旋法の曲は多い、と考えています。
逆に昔は4度の音がシャープするが故に少なかったと思います。
現代でも実際には純然たるリディア旋法の曲はそれほど多くはないと思いますが、一般的に長調とされている曲の中にも「隠れリディア旋法」と呼ぶべきものがあるからです。
自分も「Reminiscence」で使っていますが、ⅣーⅢーⅡーⅠという進行があります(ポピュラーだと4321進行と呼ばれる場合もあります)。
使用頻度は低いですが、例えばL’Arc~en~Cielの「Pieces」のBメロで出てきますよね。
他にもMinnie Ripertonの「Lovin’ You」もこのパターンですよね、って向こうの方が先だけど(笑)。
「Pieces」はあくまでも部分的な使用なので、これをリディア旋法と呼ぶのには無理があります。
ただ「Lovin’ You」の場合、ほぼこのパターンを繰り返している上に、部分的に出てくるⅤはⅠに進行せず、Ⅳに進行します。
これはリディア旋法という解釈が成り立つだろう、と考えています。
まあ「Lovin’ You」はともかく「Reminiscence」の場合、いわゆるコード的な概念の曲ではないので、この表現が適切である、とも言い難い曲なので、こじつけ的な感じがしなくもないのですが(笑)。
ⅣーⅢーⅡーⅠって機能的に見ると、あまり「オチ」のある進行ではないんですよ。
厳密に言うと下行進行なので、本来のリディア旋法ではありませんが、これをリディア旋法として捉えると、「オチ」がつくんですよ。
ⅠからⅣに戻る時、これは4度上昇の強進行になるので、ⅣをⅠと見做すと、ⅣはⅤと見做せるからです。
別に最初がⅣだからリディア旋法、という訳ではなく、事実上の終止にあたる、Ⅳに戻る部分があるからこそ、これがリディア旋法(これもリディア旋法というより「リディアン」と呼んだ方がいいのかもしれませんが)に近い存在だ、ということが可能になる訳です。
そう考えると、実は他の進行にもこういうパターンはある訳で、「隠れリディアン」的な曲は結構多いと思います。
例えばLiSA×Uruの「再会」でも頭のコードをⅠ(実際はⅣ)と勘違いしているインターネットのサイトがある位ですから。
また、現代ではやはり「長調」と「短調」の関係性というものが現れてしまい、結果的にドリア旋法との関係性において、使いやすい旋法になったのかもしれません。
昨日のスパニッシュスケールや邦楽の話と変わらないじゃないか、と言われるかもしれませんが、あちらは同時進行的に存在していたものであるのに対し、こちらはマイルス以後の作品ですから。
まあ単なる自分のこじつけだと言われれば、それまでの話なんですが(笑)。
で、明日はミクソリディア旋法について触れたいと思います。
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