演奏が上手いということ㉛

今日は一昨日の続きについて書きたいと思います。

ピアノの音程は弾き方によって変わるはずだ、という点です。

このことは理論的には正しい。

実際の演奏者によって異なるのも事実。

もちろんそのことにより聴こえ方が違うのも事実。

ただこの先は良く分からない。

というのは、その音程の微細な変動の原因が明確でないことにあります。

管楽器や弦楽器の奏者であれば、どのように弾けば(吹けば)、どのように音程が変わるかが分かるのに対し、ピアノの場合それが分からないからです。

管楽器や弦楽器の奏者がこのような調整を行うのは、演奏のニュアンスの問題が一番ですが、平均律の不協和性を緩和する、という目的もあります。

千住真理子さんが語っていた通りです。

元々平均律は妥協の産物ですから。でもこれがあるからこそ転調がスムーズに行える、やはり優れたものです。

でもピアノはここからの微調整を行なう手法が分かっていないし(もちろん純正律で調律されている場合は別ですが、特定の曲だけ弾く訳ではないから平均律で調律します)、どうすれば音の不協和が緩和されるかも分からない。

Bill Evansのピアノが不協和音を弾いても濁らないというのも、その原理はおそらく本人にすら分からない。

天性のもの、と言ってしまえばそれまでですが、それでは話にならないので、もう少しこの問題について考えてみたいと思います。

考えて結論が出る話でもない気もしますが…。


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