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月曜日のユカ(中平康 加賀まりこ 映画)

(↓日活公式サイト)

加賀まりこ(当時20歳)の不思議な魅力溢れる映画。
美しさと残酷さの双方を愛する方は是非。


ものすごくざっくりなネタバレ(やや)避けたあらすじ

  主人公のユカ(18歳)は、1964年・横浜のナイトクラブの売れっ子ホステス。初老の妻子持ちの金持ち社長パトロン・パパ、若い彼氏・修を始め、男を喜ばせることを生き甲斐としている。つまるところ、誰とでも寝る。しかし、謎の理由で絶対にキスだけは誰にもさせない。 (現代でいうところの、彼氏持ち且つ彼氏公認のパパ活?)
男を喜ばせるのが生き甲斐なのは、ユカ母(米兵相手の娼婦)の教育(受け売り?)の成果。

     ユカはある日曜日の街中で、パパが実の娘にフランス人形を買ってあげて嬉しそうにしている様子を見かけた。ユカはパパに「日曜にお人形を買いに行きたい」と、実娘の再現でパパを喜ばせることを試みるも、パパに「日曜は家族と過ごすから」と断られる。ユカは「じゃあ月曜日」と食い下がる。
(これがタイトル『 月曜日のユカ』の由来。)
しかし、月曜日にパパを喜ばせようとするも失敗。 
 
     一方、若い彼氏・修はユカと結婚したい決意を固めたので、パパとのパトロン関係等の諸々を一切やめてほしいと申し出る。 

    ちょうどその直後、パパはユカに、会社の取引先相手のお偉いさん(西洋人男性)への、いわゆる性接待をお願いする。そしたらパパは喜ぶ、という言葉も添えて。ユカはパパを喜ばせるために引き受ける。修はそれを知って怒るが、ユカは性接待のため行ってしまう。 ユカはお偉いさんに無理矢理キスをされ…… 

諸々の結果、パパも修も悲惨な末路を辿るも、なんやかんやユカは(心を全く動かされないわけでもないが)ドライだった。

…という話。


ユカの生き甲斐は男を喜ばせること。
ユカのポリシーはキスをさせないこと。 

喜ぶこと自体がユカの生き甲斐であり、キスさせないこと自体がユカのポリシー。

彼女の喜びは男が喜ぶ瞬間自体であり、彼女のポリシーはキスをさせないこと自体。

彼女は彼女自身の喜びやポリシーそのものが目的であり、実は男はその実現のための媒体にすぎないのかな…と思った。 

他人本意と見せかけ、無自覚に自分本意なユカ。
ユカの見せかけの他人本意を利用しようとして、結果的に破滅するパパ。
ユカを実直に愛して破滅する修。

キスをさせない理由については、作中でちゃんと出てくるのでご安心(?)を。

ちなみに…

ユカ母の声に妙に聞き覚えがある…と思って観た後で調べたら、なんとユカ母を演じた女優さんは後に、ジブリ映画『 となりのトトロ』のおばあちゃんの声優を演じていた。びっくり。

主演の加賀まりこ氏はユカについて、「私はあんなに頭パーじゃない」とのこと。

脳内で色付いて見えるモノクロ映画。
このnoteを書いている約60年程前の話なので、戦後や高度経済成長期の日本を感じる。

こんな いろんな意味でませた18歳いるのか?と思うかもしれないけど、創作物で時代背景も相俟って、なので。

そんな、不思議な映画。






    


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